第66回 木登りチャレンジ/学園長ブログ - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

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学園長ブログ

第66回 木登りチャレンジ

第66回 木登りチャレンジ

第66回 木登りチャレンジ

2018年12月12日

今朝のこと。始業前、生徒が集まり始めた校庭で1人ほうきを手に落ち葉掃きをしている2年生のO君。「えらいね」と声をかけると、「遊ぼうと思って早く来たら、当番だったんだ。こんなにあって掃ききれないよ」とひとこと。少ししてまた見に行くと、ほうきを手にする子どもたちが増えており、O君も「仲間が増えて助かったよ」とうれしそうでした。

そのすぐ横では真剣に木登りをしている子どもたちの姿がありました。挑戦していた木はややレベルの高いモミジで、よじ登るにはそのための技が必要です。上手に登り、枝の上で楽しそうにしている友だちが、チャレンジャーである子どもたちのお手本であり目指す姿でもあります。

初めは木登りに奮闘する友だちの様子を眺めていたO君でしたが、しばらくすると助太刀に入り、お尻の押し上げにかかりました。よく見るとそのお尻は尻もちをついたのか、泥で汚れていました。

木がどれくらい滑るものか、揺れる木の上でどれほどバランスを保てるのか、飛び降りることができるのはどれくらいの高さからなのか、落ちればどれほど痛いのかなど、子どもたちは経験を重ねる中で五感を通して学び、木登りの技を身につけていきます。

木の形によって登り方に工夫が求められ、登っていくほど景色が変わり、いつもより高いところから見渡せるようになることも魅力のようです。「やってみたい」と思うことに挑戦する子どもたちの姿は真剣そのものです。

そして気がつくと挑戦を重ねていた子どもたちもいつのまにか木の上で楽しそうにおしゃべりをしています。木の上の仲間に加わっているその表情は、どこか顔つきも変わっているように見え、達成感からくる自信が感じられます。

様々なリスクに取り囲まれ、先が見えないといわれる時代であるからこそ、私たちは未来を創る子どもたちに、自分の頭で考え挑戦する人になってほしいと思います。失敗を糧に前に進むたくましさも持ってほしいと願います。

もちろん子どもたちの成長にとって安全は大切ですが、安全それ自身が目的ではないはずです。困難にあわないように、失敗をしないようにと、常に大人が先回りして転がる石を取り除き、安全な道だけを歩かせていては、困難に向き合い、そこに飛び込む力を養うことはできません。

子どもたちのチャレンジする心を支えるために、今必要とされるものは一体なんでしょう。
私はそれは、まず私たち大人の覚悟ではないかと思います。たとえて言うならば、木から滑り落ちる失敗も含めて、子どもたちが木登りにチャレンジすること認め、応援し、見守る覚悟です。同時にまた、子どもたちの最も身近な「環境」である私たち大人自身が、チャレンジする姿を子どもたちに見せていくことも必要なのではないかと思います。

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2018年12月5日 高橋和也(自由学園学園長)

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