第68回 梅の木と親心/学園長ブログ - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

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学園長ブログ

第68回 梅の木と親心

第68回 梅の木と親心

第68回 梅の木と親心

2019年2月15日

初等部の入り口の前、梅の花に積もった雪がはっとするほど美しく、花か雪か見分けがつかず足を止めて眺めていたところ、女子部の寮の方から歩いてこられた寮母さんにお会いしました。日ごろお世話になっているお礼をし、最近の寮生のことなどを伺うことができました。子どもたちを温かく受け止めて下さっている様子に、感謝の思いを新たにしました。

女子部に向かって歩きながら、これにあわせて寮母さんから次のようなうれしいお話を伺うことができました。

この方は長く銀座の書店にお勤めとのこと。そのお店にアルバイト希望で、女子部を卒業したSさんがやってきたそうです。残念ながら日程が合わず最初は断わることになったけれど、後日偶然アルバイトをやめる人があり、その代わりにSさんが入り、2ヶ月間働いたそうです。

Sさんは海外から寮に入り生活していた生徒でしたが、どちらかといえば静かなタイプで、寮になじむのに苦労もあったようです。Sさんが体調を崩したときに手当てをしてくださったという寮母さんのお話から、心をかけて励まして下さっていたことが伝わってきました。

「そのSさん、働き始めてみると働きぶりがすばらしいんですね。アルバイトにはいろいろな子が来るけれど、さすが自由学園の生徒さんは違うって思いましたよ。袋を用意したら次は何をするかって、一つの仕事をしながらそのあと何をしなければいけないか、言わなくてもわかるんです。大人としての常識という点では足りないこともあったけれど、働くということがわかっているんです。寮にいる小さい生徒さんの中には寮生活やお料理なんて何でしなくちゃいけないんだって言う人もいるので、大切なことを勉強しているんだよ、仕事の段取りが身につくんだよって諭しているけれど、この子たちもいつかSさんのように力をつけていくんですね。」

とてもうれしそうにお話くださるその言葉に温かな「親心」を感じ、私もSさんの活躍を本当にうれしく思いました。そして学校を離れてもこのように私たちの子どもたちを見守ってくださることをありがたく思いました。

寮母さんのお話を伺い、Sさんのことを思い、一日中清々しい気持ちですごすことができました。

梅は自由学園のスクールフラワーです。寒さの中、多くの木々に先駆けていち早く花をつけ春を告げる凛とした美しさと潔さを、創立者の羽仁吉一先生が好まれ、学園内に数百本をお植えになりました。そのため私は学園内の梅を見ると吉一先生を思い出します。偶然、素敵なお話を伺うきっかけとなった梅の木にも感謝を伝えたい思いです。

 

 

 

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