第72回 生徒たちが作ったザリガニビュッフェ/学園長ブログ - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

第72回 生徒たちが作ったザリガニビュッフェ/学園長ブログ - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】

学園長ブログ

第72回 生徒たちが作ったザリガニビュッフェ

2019年9月17日

自由学園内を流れる立野川。
男子部の「川管理」の生徒が水温や流量などの計測、水生植物の調査や特定外来種の駆除、絶滅危惧種の生物の保護、川の整備などに取り組んできました。また活動成果を学外の東久留米市環境フェステバルや新河岸川流域の学校が集まり行う「川でつながる発表会」などで発表してきました。20年目を迎える今年も4人の生徒を中心に日々活動しています。以下、生徒たちの興味深い活動報告です。

6月中旬、今年もこの川でアメリカザリガニが大量発生しました。これを放置すると貴重なホトケドジョウが食害に遭うため、生物に詳しい上級生も加わり、この解決に取り組みました。生徒たちはこれまでも単にザリガニを殺処分することには抵抗を感じており、一昨年度、検討の末に実行した解決策は、「ザリガニ料理」を作って食べるという案でした。素揚げやグラタン、スープなど、様々な料理を考案して食事会を行いました。この取り組みについては東久留米市環境フェステバルでも紹介し、反響を呼びました。

そして今年、生徒たちは普段から川辺に動物によって捕食されたものと思われるザリガニの遺骸が残っていることにヒントを得て、捕獲したザリガニを別の場所に隔離し、野鳥等に「積極的に」食べてもらう実験をしたらどうかと考えました。

その翌週、捕まえた50匹近いザリガニをビュッフェスタイルさながらに図書館横の芝生に並べたタライに入れ、実験を開始。夜間は動くものを感じると撮影を始める赤外線暗視・動体検知機能搭載のカメラを設置し、観察体制を整えました。いったいどんな動物が食べに来るのか、生徒たちは興味津々。毎日のように経過を観察していました。

すると数日後、野鳥ではなく「タヌキ」と思われる動物が、未明にタライをのぞき込む様子を撮影することに成功。生徒たちのモチベーションは一気に上がりました。その後、動物がより近づきやすくなるように、容器を小さなタライに変えて観察を継続。するとさらに数日後、15匹程入れておいたタライの中のザリガニが、翌朝ゼロになっているという状況が発生しました。

芝生の上には1〜2匹の死骸があったのみで、他には見当たりませんでした。「どこへ行ったのだろう?」「食べられたのか?」という疑問を抱えつつカメラの画像を確認。すると、タヌキがタライの周囲をうろつき、最終的にはタライの中に入ってザリガニを口にくわえる様子が多数写っていました。コマ送りで画像を丁寧に見ていくと、タヌキがタライの中と外を行ったり来たりしている様子と、それに合わせて芝生上にザリガニらしき影が動く様子が確認されました。

このことから一部はタヌキが食べたかもしれない。しかし食べる目的ではないザリガニについても何らかの理由でタヌキがタライの外に「逃した」のではないか。そしてザリガニが芝生から草むらなどへ自力で逃げたのではないか、との仮説が立てられています。このタヌキの行動の動機は一体どこにあるのか。この興味深い謎の解明は今後の課題となりました。是非解明してほしいと思います。

2019年9月17日 高橋和也(自由学園学園長)

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