2020すいせん図書vol.7/図書館 お知らせ・近況 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

2020すいせん図書vol.7/図書館 お知らせ・近況 - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】

図書館 お知らせ・近況

2020すいせん図書vol.7

2020年7月30日

すいせん図書第7回をお届けします。
今週は、アフタースクールのK先生が中高生の皆さんへ、SFとファンタジーの本を紹介してくださいました。シリーズ物をまとめて読むのも長いお休みの醍醐味です。

写真は新着図書の一部です。

2020すいせん図書 vol.6はこちらから

 

【2020 すいせん図書 vol.7】

SF編
古くはジュールベルヌ、コナン・ドイルなどをはじめ、現代でも様々な作品が生み出され続けているSF小説。時には宇宙人や未知のウィルスなどとの戦いを繰り広げたり、時にはタイムトラベルをしたりと人間の想像力の可能性に触れることのできるジャンルの小説といえるでしょう。夏休みを機に一度トライしてみてはいかがでしょう。

『ようこそ地球さん』星新一著 新潮社
ショートショートと呼ばれる特に短い短編小説の第一人者、星新一氏の作品の中でもSF色が強い短編集です。短いものでは数ページで終わる作品もあるためとても手軽に読むことができます。限界まで研ぎ澄まされたストーリーラインの中にブラックユーモアがピリリと効いていて、とても魅力的なショートショートばかりです。また、星新一氏による起承転結のテクニックは自分が文章を書く際の理想的なお手本になりますので、その点からもおすすめの一冊です。

『たったひとつの冴えたやりかた』ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア著 早川書房
SF小説の中でも初めてSFを読むかたに特におすすめの一冊です。短編集なので気軽に読める点は理由の一つですが、とにかく内容が読みやすい点が◎。宇宙を題材にした短編が収録されており、表題作である「たったひとつの冴えたやりかた」はSFに興味がない方にもぜひ読んでほしいと思います。
発行年は少し古いものの、現在でも輝きを失わない良書です。

『アルジャーノンに花束を』ダニエル・キイス著 早川書房 
知能を向上させる手術を受けた知的障がい者の青年の成功と挫折を描いた物語。ロボットや宇宙船はでてきませんが、SF小説の傑作の一つとして紹介したいと思います。「知能」とは何か、「幸せ」とは何かを考えさせられる一冊。今後さまざまな人と関わっていくであろう中高生にこそ、読んでほしい作品です。

『夏への扉』ロバート・A・ハインライン著 早川書房
失ったものを取り戻すためにタイムマシンにかけた主人公ダン。果たして過去は変えられるのか…
半世紀前に発行されたにもかかわらず、現代でも支持を受け続けている作品です。「過去の自分に会えるのか」「過去は変えられるのか」といったテーマをあつかったタイムトラベルものSFの先駆けともいえる存在。ダンの愛猫ピートの活躍も必見。最後の1行まで楽しめる作品。

 

ファンタジー編
近年、ファンタジー小説は映画やアニメ化されることも増えました。映画でもアニメでも気に入った作品があれば図書館で原作を借りてぜひ読んでみてください。きっとその作品のことがもっと好きになるはずです。

『霧のむこうのふしぎな町』 柏原幸子著 講談社
知る人ぞ知るファンタジー作品の名作です。一説にはスタジオジブリの「千と千尋の神隠し」に影響を与えたとも言われています。内容も分かりやすく、読みやすい作品です。夏休みに一人旅に出た少女が、不思議な町に迷い込み、そこで繰り広げられるやさしく、不可思議な雰囲気の作品です。

 

『ブレイブ・ストーリー 上・中・下』 宮部みゆき著 角川書店
主人公ワタルが異世界「幻界(ビジョン)」で繰り広げる剣と魔法のファンタジーです。RPGゲームのような世界での冒険活劇ではありますが、主人公の冒険の目的は「幸せな家族を取り戻すため」と結構シリアス。楽しめるだけではなくいろいろと考えさせられる作品です。

 

『獣の奏者 全4巻』上橋菜穂子著 講談社
「決して人に馴れない獣、決して人に馴らしてはいけない獣」といわれていた「王獣」とよばれる獣と心を通わせることのできる少女エリンを描いた異世界ファンタジー。作者の上橋菜穂子氏は「精霊の守り人シリーズ」の作者としても有名です。文化人類学者としても活躍されておられるため、小説の中にもその影響が色濃く表れています。言語や人々の生活の描写、学問や宗教などの文化的描写などがしっかりと作りこまれているため、想像力を刺激される作品です。

『しゃばけシリーズ 1~19巻』 畠中恵著 新潮社
江戸時代を舞台に体の弱い「若旦那」と彼に仕え、助けてくれる妖(あやかし)たちの物語です。ファンタジー風味の時代小説で、ミステリー的な側面も持った作品です。物語をたのしみながら、江戸時代の文化に触れることができるため、時代小説はちょっと…という方にもおすすめの一冊。

 

『ロードス島戦記 全7巻』 水野良著 KADOKAWA
日本におけるファンタジー小説の代表的な作品です。トールキンの「指輪物語」のファンタジーの世界観を日本に定着させるために大きな役割を担いました。
架空の島「ロードス島」で繰り広げられる剣と魔法の王道冒険活劇です。

 

 

学部生から
『対局する言葉』 羽生善治・柳瀬尚紀著 河出書房新社
天才棋士と翻訳名人が“時間と瞬間”、?能力と心”、“無意識のルール”など、様々な切り口で語り合う対談本です。お互いが瞬時に相手を補い、自分の領域から話を展開させる様子は、心地よさすら感じさせます。

 

 

『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』 フィリップ・K・ディック作 早川書房
ブレードランナーという映画の原作ですが、だいぶ違う部分もあるそうです。
主人公は逃亡したアンドロイドを追う賞金稼ぎです。話が進むにつれ何を信じていいのかわからなくなります。作者は「私にとってこの作品は、人間とは何かという疑問に対する初期の結論を述べたものである」と書いています。わかりにくい話ですが時間のある時にゆっくり読むと面白いと思います。

 

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