第86回 男子部・女子部入学式「新しい歴史を創ろう」/ - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

第86回 男子部・女子部入学式「新しい歴史を創ろう」/ - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】

第86回 男子部・女子部入学式「新しい歴史を創ろう」

2021年4月12日

「生徒が創る学校」

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。保護者の皆様、ご家族の皆様、お子さまのご入学おめでとうございます。

まず皆さんとこうして顔を合わせて入学式を行うことができ、自由学園の新しい家族として皆さんをお迎え出来ることを本当にうれしく思います。今日は女子部、男子部、最高学部の生徒、教職員の代表がこの講堂に集まりました。例年はここに全校生徒が集まり皆さんをお迎えしますが、集まることのできない在校生は全員、今オンラインで画面を通じて、皆さんのご入学を共にお祝いしています。皆さんにはそのような学校中のすべての在校生の歓迎もお伝えしたいと思います。

ここに集まることはできない生徒も皆で皆さんを迎える準備を進めてきました。生徒たちは朝から皆さんを気持ちよく迎えられるように校内の掃除をし、正門で皆さんを迎えたのも生徒たちでした。会場の準備も生徒が行い、各会場の花を活けてくれたのも生徒です。入場退場の音楽も様々な工夫をして生徒・学生が準備してきました。寮でも、様々な人が皆さんを迎える用意を進めてきました。一人ひとりが皆さんを迎える主人として心を使って、自分自身の責任を果たし、準備をしてきました。

今日はこの入学式の司会を高等科3年生の3人の生徒がしています。実は生徒が入学式の司会をするのは実は初めてです。これまでは教員がしており、もっと前は、創立者の羽仁吉一先生がなさっていました。

自由学園は生徒が創る学校でありたいと願い、生徒と先生が一緒に考え、今年はこのような形にしました。生徒が創る学校が一歩前進しました。とてもうれしいことです。

生徒が創る学校とはどういう意味かというと、この学校を創る主役は生徒である皆さん自身であるということです。主人とお客様という関係でいえば、生徒はお客様ではなく、この学校の主人であるということです。主人である皆さんには、この生活を自分たちの手でつくりだす自由があります。そしてそこには創意工夫が生まれます。自由と共に責任も学ぶでしょう。

お客としてレストランに入ると水が運ばれてきて、注文した食事が出てきます。食べ終わって食器を洗うこともありません。楽かもしれませんが、ここには自らが主体となって自分自身の生活をつくりだす自由はありません。

皆さんの中には、自由学園に入学し、学校が皆さんのために何をしてくれるのだろうと期待している人がいることと思います。もちろん自由学園には皆さんの成長のためのよい学びの機会がたくさんあります。しかし皆さんは今日からこの学校のお客さんではなく、主人であるということを忘れないでください。皆さんが自由学園に入学したのは、学校を創る主人・主役の一人として、皆さん自身が自由学園を今よりももっとよい学校にするためです。皆さんは自由学園をよくするために入学したということを覚えておいてください。

「同志、同学、同行の友」

私は「皆さんのお一人ひとりを同志、同学、同行の友としてこの学校に迎え入れます」と宣言をしました。この言葉は自由学園の教育をよく表している言葉です。

「同志、同学、同行」とは、同じ志、同じ学び、同じ行いと書きます。自由学園では皆さんの心を育て、頭を鍛え、実行する力が育っていくことを願っています。その成長を一人ではなく友と共に協力して励むことを大切にしています。

志とは「心が指す」方向ということです。自分が身につけた知識や実行力を何のために使うのか、その方向を決めていくのが志です。志を持っていないと、せっかく身につけた自分の力を自分が思ってもいないことのために使うことになってしまうかもしれません。

私たちの社会は様々な情報であふれています。このような状況の中で、方位磁針が北を指すように、自分の中に確かに行くべき道を指し示す基準となるもの、「心指し=志」を持っていることはとても大切です。

皆さんは上級生や先生方から、自由学園では何をよいこととしているのか、何を目指しているのか、理想や志について学ぶでしょう。また新入生の皆さん同士も互いに学び合うことでしょう。私たちも皆さんから学びたいと思っています。

同級生や上級生、先生方は、目に見える先生です。しかし自由学園にはもっと心強い目に見えない先生がいらっしゃいます。どんなときにも変わることないただ一人の先生、それは聖書の示す神様の御子であるイエス・キリストです。

聖書はイエス様を通じ、神様がどんなときにも常に私たちと共にいてくださり、私たちの歩みを導いてくださることを教えています。皆さんはこれからの自由学園生活を通じ多くの時間をかけて聖書を通じ、この目に見えない先生のことを学んでいくでしょう。聖書は皆さんの志を育てる上での土台となるでしょう。

今年は自由学園創立100周年の年です。先ほど司会の方の言葉にもありましたが、自由学園は今から100年前の1921年4月15日に、羽仁吉一、もと子先生によって創立されました。来週4月15日が自由学園の100歳のお誕生日です。今年は自由学園が、次の100年に向かう最初の1年であり、皆さんは次の100年に向かって進む新しい自由学園の最初の新入生です。皆さんの力に大いに期待しています。力を合わせて共に新しい学校、新しい自分を創っていきましょう。
あらためましてご入学おめでとうございます。

2021年4月12日 高橋和也(自由学園学園長)

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