9/21(水)平和週間2日目/近況 - 自由学園 男子部/東京の私立中学・高校

9/21(水)平和週間2日目/近況 - 東京の私立中学・高校【自由学園 男子部(中等科・高等科)】 - 中高一貫教育

近況

9/21(水)平和週間2日目

2022年9月28日

「自由学園もそこらの普通の学校と変わらないんだね…」

ドキッとさせられるこの言葉に、
「確かに!」「いや、そんなことない!」
と、それぞれの想いを抱きながらも、なんとかしてこの人が何を伝えようとしているのか、必死についていこうとする生徒たち。

この人が、私たちを真っ向から否定し続けるのは、何故なのか?

平和週間2日目の登壇者は、上野千鶴子さん。
女性学の研究で著名な社会学者で、認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)を立ち上げられ、理事長として活躍されています。

男子部高等科2年生が、
「多岐に渡る『らしさ』を研究の対象として分析し、それと闘ってきた方で、数年前にご著書を読んでその研究の巧緻さ、力強さに衝撃を受けた」とのことで、上野さんの講演希望しました。

 これまで自身が経験してきたことから始まり、生徒たちに身近なこととして、
「学校ではなぜ制服を着用するのか?」
「校則は何のためにあるのか?」
「この問いに『伝統だから』『昔から決まっているから』そう答える大人や教員は少なくないのではないか」と上野さんはおっしゃりました。

 「同じように、普段の生活の中で、いつの間にか当たり前を受け入れていることがたくさんある。しかし学問は、異論の集合であり、批判的な意見から発展するものであり、それは『本当に?』『どうして?』と疑う“ノイズ”から生まれるのではないか。ダイバーシティの必要性も、たくさんの“ノイズ”から意味のあるモノが生まれることにある」と。

 上野さんは最後に「私は“ノイズ”を起こしました。」で講演を終えました。

 これまで知らず知らずのうちに諦めてしまっていたことがあるのではないかと、上野さんの言葉に気付く生徒もおり、講演終了後も上野さんとの対話を求めて多数の生徒が集まりました。
それは、上野さんに対して、生徒たち自身が新たな“ノイズ”を起こすことが、より良い社会を創るために、これからの自由学園のためになると、生徒たちがとった一つのアクションだったと思います。

 今後社会はさらに変化が著しくなり、将来の予測が困難になっていく時代に、誰も解いたことがない問いに、自分の力で答えていく必要があります。立場、地位、人種などにとらわれず、“今”に対して常に疑いの目を持ち続けられるよう、様々な機会を通して発生する“ノイズ”を排除せず、より良い社会を創れる人に生徒たちもなっていけることを願います。

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