選択クラス「羊皮紙-テンペラ画法」の様子/「選択クラス」の様子 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

選択クラス「羊皮紙-テンペラ画法」の様子/「選択クラス」の様子 - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】

「選択クラス」の様子

選択クラス「羊皮紙-テンペラ画法」の様子

2020年12月27日

[夢の実現]                    

海外の旅先で訪れた美術館や教会堂で出逢って魅せられた絵画や古い聖書の飾絵の多くがテンペラ画であることを知り、意識し始めたのはかれこれ40年も前のことであった。自分でそのテンペラ画を描くことができる機会が三年前、リビングアカデミーのおかげで訪れた。「80をはるかに過ぎての手習い」。長生きはするものである。

さて、自分で描くとなったら何を描くか…。やはり沢山見てきた旧約聖書にまつる絵と決めて、身近にある資料から処女作として「エニシュコの葡萄」(二人の男がモーゼにいわれて新しい土地を訪ね、そこで沢山の葡萄と無花果を見つけて、葡萄の房を担いで帰ってくる話)を選んだ。添え書きの聖句は「ヘブライ語」で書かなくては、とヘブライ語を齧ったワイフにいわれて、全く理解できないままに写し書きをした。こんな文字もあるのかと知ったのもテンペラ画を描いての余禄だった。

初めは金箔貼りの習得ためもありブローチ作りから始まったが、半年して羊皮紙に自分で選らんだ絵を描く「テンペラ画」に入った。選んだ資料の輪郭を写しとって線を描き彩色をする。簡単に「消して直す」ことは難しく(修正=誤魔化し法は覚えたものの)集中力を求められる。自己の老化を突きつけられることになるが、絶好のボケ防止と楽しく填まっている。

受講者にとっては幸いに生徒数が少なく、個人指導に近いカタチで学べるのはありがたい。二作目の挑戦は「天地創造」。そして今の3作目は羊皮紙にかえて石膏を塗った木板に「ノアの方舟」を描いている。コロナで半年ほどの中断があり完成は年明けになる。

目下の「悩み」は、自分を模した人間を方舟に乗せるか乗せないかである。        小田泰夫(2期生)

  • 「エニシュコの葡萄」(羊皮紙)

  • 「天地創造」(羊皮紙)

[羊皮紙-テンペラ画法クラスを受講して]

2020年度の選択クラスの紹介の中で、先輩の方々のテンペラの作品の展示を観て、その作品がとても素晴らしく魅了された。もともと西洋美術に関心がありよく美術館に行き絵画を観ることが好きだったので、「居ながら世界の美術館巡り」のクラスも選択している。また、受講されていた話を聞いていたので、絵画を観るだけでなく、自分でもテンペラ画を描いてみたいと思い、選択することを決めた。無謀にも絵を描くのは高校生の時の授業以来55年ぶりだ。

今年のテンペラの受講生は二人で、ほぼ個別授業だ。与えられた課題は、受胎告知のテンペラ画。この絵は、今年国立西洋美術館で開催された「ロンドンナショナルギャラ―展」を観に行った時に、同時に開催された内藤コレクション展「中世からルネッサンスの写本祈りと絵」のポスターになっている受胎告知の絵だ。この絵を観た時にとても気に入っていて、まさかこの絵を課題として与えられるとは夢にも思わず感激してしまった。しかしこの絵は非常に細密で自分には描けるどうか不安でもあった。

先生から、羊皮紙-テンペラの歴史、海外からの羊皮紙や顔料など具材の購入、絵柄の線描き方、金箔の貼り方、溶液の作り方などを詳しく説明してきただき、テンペラを描いてきた人々の歴史と奥深さを感じた。

いよいよ絵を描く段になり、描く手順を丁寧に教えていただきながら描き始めていく。根気がいる作業だが、それなりにテンペラ画らしくなってきているのが不思議で自分でも感動している。描きながら先生との絵画の話をするのも楽しく魅力的。完成したら自宅の玄関先に展示してもらえるかどうか、妻の評価が待っている。      望月 利將 (4期生)

「受胎告知」(水彩)

                       

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