2019年度自由学園体操会(第72回)

タイトル

自由学園体操会について

自由学園では、幼児生活団(幼稚園)から最高学部(大学部)までの全員が参加して、毎年秋に「体操会」を催しています。 年齢に応じたデンマーク体操、メイポールダンス、リレー等をキャンパスの中心にある大芝生で披露します。演技発表だけでなく、会の準備・運営も生徒・学生が協力して行います。共通の目標に向かい、普段の生活からよくなるように励みます。体操会はそうした生活教育の発表の場でもあります。

デンマークからの指導者
今年もオレロップ体育アカデミーから若手体操指導者が来校してくれました。
Tonko Bossen(トンコ・ボッセン) さん、 Rosa Sommerlund(ローサ・ソマロン)さんです。
体操会では女子部、男子部、最高学部のプログラムを、学園体操指導者と共に指導してくださいます。
2学期の間に、幼児生活団幼稚園や初等部の子どもたちとも、一緒に体操や運動をする機会を持つ予定です。

自由学園ではなぜ全員が体操をするのか

創立者羽仁吉一・もと子は、子どもたちが将来よく生きる人となり、社会に役立つ人となるためには、健康的でバランスの取れた心身の発育が望ましいと考え、創立当初から体操で身体をきたえることも大切にしていました。体操を特別なものと捉えず、人が生活していく上で、よく動ける身体を作るために必要なことと考えたのです。「体操会は体操が嫌いな人のためにあるのだよ。」と羽仁吉一は言いました。自由学園の体操会では好きな人、得意な人だけが体操をするのでなく、全員が参加することが大きな特徴です。

自由学園とデンマーク体操

自由学園では、創立後間もなくデンマーク体操を取り入れています。ニルス・ブック氏率いるデンマークのオレロップ国民高等体操学校の体操チームが、初めて自由学園(現在の自由学園明日館)で演技発表をしたのは1931年。以後現在に到るまで交流は続いています。

  

デンマーク体操は力強さと、柔軟性、巧緻性、リズムを大事にし、若者に健康的でバランスのとれた身体と品性が備わることを目的としています。当初は学園にデンマークより指導者を迎えました。その後は、オレロップ体操学校に留学した代々の自由学園男女卒業生や体操指導者が指導しています。(下の写真は初めて学園から留学し、1935年に帰国した女子部卒業生2名)また、2003年からは毎年2学期に、オレロップ体育アカデミーの若い卒業生2名がデンマークから来日して、体操会に向けて教師と共に指導に当たっており、生徒も良い刺激を受けています。デンマーク体操を取り入れてる学校はありますが、自由学園はデンマーク体操を一貫教育の全ての段階を通じて、日常的に行っていることが特徴といえます。

これまで、デンマークの様々な体操チームが自由学園を訪れて演技発表をしてきました。2015年の体操会ではオレロップ体育アカデミーのエリートチームによる演技発表が行われ、プログラムの中では、エリートチームと初等部児童が合同で体操もしました。昨年10月にはデンマークの男子だけの体操チームが来校し、転回を中心とした演技を披露しました。
2017年度体操会は、日本・デンマーク国交樹立150周年記念の公式認定イベントとして開催され、特別展示「デンマークと自由学園の交流史」もご覧いただきました。
2017年度からは最高学部とオレロップの間で奨学制度が整い学部生がオレロップ体育アカデミーへ留学するなど、より活発に交流が続けられています。

  

■「世界体操祭」への参加
今年7月(2019年)にはオーストリアで開催された第16回世界体操祭に自由学園最高学部有志が参加し演技発表を行いました。一貫教育で培ってきたデンマーク体操の上に日本的要素を加えた発表をしました。
(国際体操連盟が主催するこの大会は、競技ではなく、世界中から集まった体操愛好者がそれぞれの体操文化を発表し、体操を通して繋がり理解することを目的されています。このような国際的なイベントに出場することで、より体操への理解が深まっています。
自由学園は2015年度の第15回世界体操祭(於:フィンランド)で初参加しました。)

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