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学園長の挨拶
社会を良くする気概を持った人を育てる少数主義の一貫教育校
矢野 恭弘

 自由学園は2011年4月15日に、創立90周年の記念日を迎えました。1921年に小学校を卒業した26人の女子を最初の生徒として始まった自由学園は、東京郊外の東久留米市にある10万㎡(3万坪)の豊かな自然に恵まれた敷地に、幼児生活団(幼稚園)の4歳の子どもから最高学部(大学部)の22歳の学生まで約1,000人が学ぶ、一貫教育の学校となりました。
 二人の創立者が逝去して半世紀以上が経った今、90周年を機に、あらためて自由学園はどのような学校であるべきか、自由学園の存在意義はどこにあるのかを考えたいと思います。
 創立者の一人、羽仁もと子は、1932年8月にフランスのニースで開かれた世界新教育会議で「それ自身一つの社会として生き成長しそうして働きかけつつある学校」と題する講演を行ないました。後に、生徒募集要項に「それ自身一つの家庭として生き成長しそうして働きかけつつある学校」という言葉も掲げました。私は「一つの社会」「一つの家庭」「働きかけつつある学校」という3つの言葉が、自由学園のあり方を示す大切な言葉であると考えます。創立者はまた、「教育は交わりである」とも述べています。「一つの社会」「一つの家庭」を構成する教師と生徒とその父母たちが、真摯な交わりを通してお互いに力を合わせて励んでいく学校は、必然的に「手作りの学校」です。
 神様は私たち一人ひとりに、その人に相応しい賜物を与えてくださっています。その人ならではの使命が与えられています。私は学校は一人ひとりに与えられた使命が何であるかを発見するところであり、また、その使命を果たす力を育むところであると思います。私たちの使命は、自分の属する社会を少しでもよくするところにあります。自由学園は、使命感を持って、自分のためだけではなく、社会のため、人のために神から与えられた賜物を働かせることのできる人を育てたいと願っています。
 自由学園がどのような学校で、どのような教育を行なっているのか、ホームページやパンフレット類を通して、また実際に自由学園を見学されることを通して、ご理解いただけましたら幸いです。
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