初等部・女子部「詩集の完成」
  update 2004/03/17  初等部・女子部

一昨年5月に、ある人を通して、アメリカで発行される小中高生の詩集に自由学園の生徒も応募しないか、というお誘いを受けた。この詩集は、1927年に世界初の大西洋無着陸横断飛行を敢行した、チャールズ・リンドバーグ夫人のアン・モロー・リンドバーグさんを記念するもので、3年前から夫人ゆかりのフロリダ州シェルコースト地方の生徒たちの詩を集めて発行されていた。

それが、2002年は大西洋横断飛行の75周年にあたるので、海外の生徒たちの詩も募集しようということになったのである。この話を学園にもって来て下さったのは、リンドバーグ夫人の著作の翻訳者である中川経子さんと、友人で編集者の上村直子さんであった。早速初等部、女子部、男子部の生徒たちに話し、この企画に参加することを呼びかけた。

その結果、初等部と女子部生徒が多くの作品を提出し、そのうち135点を学園の英語教師が翻訳、フロリダの編集者に送った。日本からは、他に広島女学院など5校が参加した。最初の予定ではその年の12月にこの詩集は発行されるはずであったが、海外からの応募が多かったというのが主な理由で、丁度1年遅れの昨年12月に発行され、1月23日に学園に小包で届いた。



詩集
詩集の表紙絵

詩集
詩が掲載された女子生徒・学生

開けてみると、何とその詩集の表紙絵は、当時女子部高等科3年、現最高学部1年の酒本絵梨子さんが、自分の「小さな私」という題の詩につけたイラストレーションなのである。喜びながらこの86ページの詩集を開けてみると、全部で141点の日本、アメリカ、イギリス、フイリピンの生徒たちの詩がのっており、日本からは65点が掲載されており、そのうち一番多かったのは、自由学園の26作品であった。うち、当時初等部生の作品が21点で女子部生のが5点であった。男子部からの応募はゼロであったが、初等部から進学した2人の作品が載っている。女子部に進学した当時の初等部6年生の3人の作品も選ばれている。

スペースが無いので1点だけご紹介する。当時初等部1年生のHさんの作品である。

Pine Tree
I put my ear to a pine tree
I can't hear his heartbeat
But now my heart is calm

学園生の作品が日本の学校から送られたものの中で一番多く選ばれたのは、嬉しいことである。これは、学園の豊な自然と、独特の国語教育によるものであろう。これを大切にし、更に豊な教育をしてゆきたい。

学園長 羽仁 翹
学園新聞557号(2004年2・3月)号より転用