アクティブラーニング - 自由学園 男子部/東京の私立中学・高校

アクティブラーニング - 東京の私立中学・高校【自由学園 男子部(中等科・高等科)】 - 中高一貫教育

教育内容・生活

アクティブラーニング

アクティブラーニング

24時間のリアル・アクティブ・ラーニング

問題の本質を見抜く力、答えが一つではない問いへのアプローチ、協働して問題解決に取り組む姿勢。自分の頭で考え、多様性や変化に対応する「生きた力」が求められています。
自由学園の教育のもっとも大きな特色は、これらの力を授業の枠組みを超え、学校生活・寮生活・行事運営等のすべての実生活上の課題解決を通じて養っている点にあります。学校づくりの主体は生徒自身。ここに24時間のリアル・アクティブ・ラーニングの学びがあります。

学業報告会

教科融合で学びを深める「学業報告会」

さまざまな教科を融合し、一つの課題に取り組むプログラムが、2学期に開かれる「学業報告会」。各学年でグループをつくり、授業や生活で深めたいことの中からテーマを設定。研究・まとめ・報告の過程を通して、協力して自主的にその学習を発展させていきます。なお「学業報告会」は、一般のお客様や保護者、入学希望者の方にも公開しています。

ポートフォリオ学習

自分自身の可能性を再発見する「まとめ」(ポートフォリオ学習)

『ポートフォリオ型学習』という学習形態をご存知でしょうか。 生徒が一年間かけて取り組んできたレポート・プリント・作文・提出作品等をファイリングして提出する方法です。評価はペーパーテストではなく、一年間大切に集められた、この提出物や取り組みで評価されます。

新しい教育の流れの一つであるこの「ポートフォリオ型学習」が自由学園では「まとめ」という形で半世紀以上も前から続けられてきました。学年末にそれぞれの教科から出された課題を生徒たちは自分の頭で考え抜き、一冊の手作りの冊子へとまとめていきます。

各教科のユニークな課題に加え、自分自身の一年間の成長を見つめる課題にも取り組みます。その内容は、たとえば自分自身のクラスや男子部での働き、良いクラスにするために自分なりに考えたこと、それから各自のお金の使い方(経済報告)にまで及びます。

提出された「まとめ」は各担当の先生方が書き込んだ熱いメッセージが書き込まれると共に、春休みのうちに生徒の家庭へ郵送されます。数値だけでは表わせない、ご家庭への一年間の教育報告書でもあるのです。

教科学習

体験を通して総合力を培う教科学習

学科の勉強は、知識をただ覚え込むのではなく、豊かな自然に恵まれたキャンパスを生かし、実生活の体験に基づき、実物に触れ、「どうしてなのか」「なぜそうなのか」を、自分の頭でよく考えることを大切にしています。そして、自分が考えたことを発表する力や、問題を発見しそれを解決することができる力を養うことを目指しています。

メディアリテラシー

「自ら考え」「自ら作り」「自ら発信する」こと。つまり、世界に一人しかいない自分自身をどのように表現するかが究極の情報発信と考えています。
情報を発信するためには、受信する力もまた鍛えていかなければいけません。メディアリテラシーの観点から、表面には見えない情報を読み解く力、情報の安全性を読み解く力を身につけます。

それらの力をつけるために、適切な情報機器・ソフトウェアの使い方を学びつつ、情報社会についてのプレゼンテーションや学校CM制作に力を入れています。『プレゼンピック』というプレゼンテーション大会(下記詳細)にも参加し5回優勝するなど、生徒のプレゼンテーション力の高さも評価されています。

生徒が作製したCM作品

  • 「お散歩」

  • 「学ぶ環境」

  • 「僕たちが創る学校」

  • 「創造」

  • 「登山」

  • 「仲間」

学校CM制作は生徒たちが自分と自由学園を振り返る良い機会になっており、コンテストでも高い評価を得ています。

日常の中のメディアリテラシー

男子部の情報技術を身につける機会は日常の中にもあります。
自治を担う高等科生は、昼食の時間にさまざまな報告をし、呼びかけます。たとえば、水道・電気の使用量の報告、節電節水の呼びかけ、食事の準備や後片付けの仕方、小遣い帳のつけ方、インフルエンザの予防法など、学園生活をより良くしていくために必要な内容です。

その中で、生徒たちはパワーポイントや映像編集ソフトなどを多用し、聞いている仲間がわかりやすい発表を目指します。その他にも、男子部の委員会活動や各種行事の係の中で、ワープロや表計算ソフトを利用する機会は数多くあり、実地にPCの使い方を身につける機会に溢れています。

しかし、PCを使いこなすだけではまだ足りません。情報の授業には、IT技術を使う際の注意事項なども含まれています。それが伴ってこそのメディアリテラシーだからです。

情報教育関連の大会 受賞例

  • プレゼンピック優勝5回(2006~2008年度、2011年度、2016年度)、準優勝6回(2009年度、2010年度、2012~2015年度)
  • ケータイ甲子園(後援:内閣府・総務省・経済産業省)全国大会出場(2010年度)

コミュケーション教育

体験を通して総合力を培う教科学習

学科の勉強は、知識をただ覚え込むのではなく、豊かな自然に恵まれたキャンパスを生かし、実生活の体験に基づき、実物に触れ、「どうしてなのか」「なぜそうなのか」を、自分の頭でよく考えることを大切にしています。そして、自分が考えたことを発表する力や、問題を発見しそれを解決することができる力を養うことを目指しています。(写真は、植林地にある山小屋の修理を協力して行っているところです。)

コミュニケーション能力の育成

自由学園では、伝統的に「自分の意見を発信する能力」が尊重され、大切に育まれてきました。
「発表・プレゼンテーション能力」、「議論する力」、「文章作成能力」の観点から男子部のコミュニケーション能力を育てる教育について一端をご紹介します。

発表・プレゼンテーション能力

声を出して伝える

男子部では、朝から寮の夕食の時間に至るまで、人前で自分の考えや伝えたいことを発表する時間に溢れています。「報告」や「日番(日直)の感想」と呼ばれる時間などがそれにあたります。発表する生徒は、みんなに聞こえるよう堂々と落ち着いて話し、声の大きさや内容などを大切にしていかなければなりません。現代に求められているプレゼンテーション能力の基礎が養われる場です。

文章作成能力

文章を書き、そして発表をする

年間を通じて、作文に取り組む課題が組み込まれています。新年の目標などは発表し、みんなで聞き合います。上級生の作文は、学年が上がるにつれて思想が深まっていきます。中等科1年生はそれらを聞きながら、精神的な成長への刺激を受けていきます。 今まで文章を書くのが苦手だったからといって、心配する必要はありません。男子部で、毎回の、そして毎年の課題に取り組んでいるうちに、きっと上手に作文を書ける日がきます。
その成果の一つが「松下政経塾 立志論文」入賞等の形で現われています。

一年間の作文の課題例
登山報告文、夏休み報告文、新年言志(新年の目標)、修養会の感想、など

学外での成果

  • 松下政経塾 立志論文 平成20年度奨励賞、平成21年奨励賞・佳作、平成22年度奨励賞入賞
  • WWF(世界自然保護基金ジャパン)「かけがえのない地球を大切に」作文コンクール 優秀賞
  • 光文社古典新訳文庫「感想文コンクール 2008」 学校賞
  • 全国学芸科学コンクール 読書感想文部門(旺文社) 高校生の部 努力賞(平成22年度)

産業

「人間性の発達には、いのちあるものの成長にふれることが不可欠である。」という創立者の考えに基づき、学園では創立当初から土に、自然に、そして生命にふれる教育が重視されてきました。産業の時間では、中等科3年生が畑・果樹・養豚・養魚・きのこの5つのグループに分かれて意欲的に生命を育てています。生産物は、昼食の食材として食卓に上がります。

生育は常に順調に進んでいくわけではなく、悪天候による不作や、魚や豚の病気などにより出荷できないこともあります。そのような状況のなかで最善の解決策を考え抜き、学んでいくのです。
また、年間を通じて生産にかかった諸経費や売り上げの収支を計算することは、経済の生きた学びの機会にもなっています。
生命(いのち)を育てる産業の学びは、生徒に生命の大切さと、人はいかに生きたらよいかということを、身をもって学ぶ貴重な時間です。この産業の時間により、生徒達は、生命の大切さと、産業構造の基盤を成している農業の基礎を自らの力をもって体験することができるのです。

議論する力

「懇談・討議・会議」を通じた組織内の調整能力

男子部は、全国(海外からの人もいます)から集まった、多様な価値観を持つ生徒たちで構成されています。学校や寮で、年齢も離れたそのような仲間たちと話し合い、触れ合うなかで、自然な形でグループ内の調整能力を身につけていくのです。
そして、人前で話をするさまざまな経験を通して、男子部生は少年から自分の意見をしっかりと発信できる青年へと成長していきます。

学校や寮での経験は、現在、社会で強く求められているコミュニケーション能力と組織内の問題調整能力の生きた鍛錬の場です。社会に出てからも、それぞれの活躍の場において、大切な働きを担いうる人間となると信じています。

懇談
ホームルームにあたる時間です。議題は自分たちで考えて発題します。中等科1年生の段階では、自分たちのクラス内の人間関係や改善していきたい点を話し合います。しかし、学年が上がり高等科ともなると、話し合う視点はクラスの話題を超え、男子部全体のテーマへと広がりを見せていきます。男子部という社会が自分たちの自治により、どのようにより良い団体、社会へと成長できるかを話し合っていくのです。

討議
学年の枠を超えて、行事や問題点などを話し合っていきます。上級生、下級生問わず、盛んに論戦を繰り広げていきます。
自由学園では、下級生だから、あるいはおとなしいからといって、意見を遠慮する必要はありません。堂々と自分の意見を発信することで、「彼は(あいつは)しっかりした人間だ」と認められることができる学び舎なのです。

会議
自治寮を維持していくために、専門の会議が設定されています。たとえば、衣・食・住の生活のうち、食・住に関わる会議や寮の経済に関わる会議などが開かれ、自治寮の生活をさらに向上できるように話し合いを重ねます。男子部の自治を支える大切な場です。