学生寮での寮生活 - 自由学園 男子部/東京の私立中学・高校

学生寮での寮生活 - 東京の私立中学・高校【自由学園 男子部(中等科・高等科)】 - 中高一貫教育

教育内容・生活

寮生活

寮生活

寮生活について

男子部の寮は、夜明けを告げる鶏「東天紅」からとって「東天寮」と名づけられ、大人の舎監は置かず、生徒の自治で運営されています。男子部では新入生全員が1年間寮生活をします。中等科2年生以降は地方生と入寮を希望する生徒が寮生となり、さらに室長として部屋の責任を負う高等科3年生では大部分の生徒が寮生となっています。

寮生活の目的は、自律したよい生活習慣を身につけ、人との関わりの中で人間関係を学び、自治的生活の中で自分たちの住む社会を良くしていく力を身につけることにあります。

  • 男子学生寮:東天寮

    東天寮

  • 男子学生寮での夕食

    夕食

新入生全員が1年間入寮することについて

男子部では入学して一年間は、自宅が学校に近い生徒でも、新入生全員が寮に入ることになっています。男子部の教育は寮生活をもってスタートします。

小学校を出たばかりの12歳の子どもが親元を離れて寮に入るのはなぜでしょう。小さいころお父さんやお母さんに抱かれていた子どもも、小学生の高学年になると、親と一緒に歩くよりも友だちと肩を並べて歩くことのほうが、自然に感じるようになってきます。人はいつまでも親の下で親に守られているわけにはいかず、いつかは親から自立していかなければなりません。

人の一生の中で中学生という時期は、親からの自立が始まるときで、友だちとの関係が生活に大きな影響を及ぼし始めます。そのような時期を迎えるに当たって、親元を離れ、一年間同じクラスの友だちと寮で一緒に生活をして、同じ釜の飯を食べ、苦労を共にする寮生活は、貴重な経験になります。
そして、男子部ではこの一年生での寮生活を土台として学年が上がるにつれて、友だちとの絆はさらに強められていきます。男子部の卒業生は卒業後も一生の友として歩んでいます。

寮の基本時間

  • 基本時間
    5:30 起床
    5:30~5:45 乾布摩擦・身支度・部屋掃除
    5:45~6:10 ゴールデンタイム
    6:10~6:30 朝食
    6:30~7:00 全体掃除・部屋掃除
    7:40 全員出発
    帰寮後
    18:00~18:30 夕食
    19:00~ 集中勉強開始
    20:40~ 中等科集中勉強終了・入浴時間
    21:30~ 中等科就寝
    高等科集中勉強終了・入浴時間
    22:30 全員就寝
  • 基本時間(土曜日)
    5:30 起床
    5:30~5:45 乾布摩擦・身支度・部屋掃除
    5:45~6:10 ゴールデンタイム
    6:10~6:30 朝食
    6:30~7:00 全体掃除・部屋掃除
    7:40 全員出発
    帰寮後
    17:30~18:00 夕食
    21:00~ 門限
    22:00~ 中等科就寝
    23:30~ 高等科就寝
  • 基本時間(日曜日)
    7:00 起床
    7:00~7:20 身支度・部屋掃除
    7:20~7:30 礼拝
    7:30~8:00 朝食
    12:00~12:30 昼食
    17:30~18:00 夕食
    19:00 門限
    19:00~20:00 静かに過ごす時間
    21:30 中等科就寝
    22:30 高等科就寝

男子学生寮での食事の後片付け

5:30起床から、朝食の自炊、食事と後片付け、掃除、洗濯、そして夜7時から中等科は100分、高等科は150分の集中勉強、戸締り、火の元の確認、中等科9:30・高等科10:30の就寝まで、生徒だけの自治生活が営まれています。各部屋は約8人ずつで共同生活を送ります。

ゴールデンタイム

朝の気持ちの良い時間に、読書をしたり、手紙を書いたりする時間です。「朝起きたばかりの金の頭の時間に、金の仕事をしましょう」という創立者の言葉から名前が付いています。

掃除

部屋掃除では自分の部屋とその周辺をしっかり掃除します。全体掃除は、食堂・玄関・風呂場など、みんなで使う場所を部屋ごとに分担して掃除します。掃除する場所は毎週変わります。

朝食

寮生が起床前に起きて、交代で自分たちで料理します。
当番の生徒は起床時間前から自炊します。

夕食

調理員の方々にバランスのよい食事を作っていただいています。

集中勉強

男子学生寮での勉強風景

集中して授業の復習や宿題をする時間です。週に4日間は、男子部の教員が食堂にいて生徒の質問や相談にのっています。また、同級生同士、上下級生で質問・説明・議論したりして、学びを深めています。お金の管理の勉強としてそれぞれの小遣い帳のつけ方も係がていねいに指導しています。(後述)家庭科の勉強としてスソ上げやボタンつけ、ウールの洗濯方法などの実習が行われることもあります。また、父母ボランティアの方々による個別の学習サポートも行われています。

休日について

平日は、通院などやむを得ない用事がない限り、外出は出来ません。土曜日の解散後から日曜日の集合(午後7時)までは、外出することが許されていて、外出届を提出したうえで外泊することもできます。日曜日の19:00に集合、全員点呼して、通常の寮生活に戻ります。

自治組織

「環境問題」「経済問題」「食糧問題」を身近な寮生活の中から考えていく

寮のすべての生活は寮生の自治により営まれています。下図の大きな3つの柱、「寮主任」「会計主任」「食事主任」から始まるそれぞれの働きの意義をみていきたいと思います。

寮の自治組織

男子学生寮の自治組織図

環境
寮主任を中心とした環境の係は、寮の住環境についての働きをします。「暮らしの会議」では、寮の居住空間をより快適なものにするために、掃除や環境整備を合理的に進められるよう活発に議論が交わされます。

経済

男子学生寮での経済係

会計主任を中心とした経済の係は、寮での自律した生活の中で、自分のお金を計画的に使うことができているかを呼びかけていきます。
若いうちに、ほしいものを何でも手に入れるのではなく、節制する気持ちを身につけるのは大切なことです。
男子部生は全員「小遣い帳」をつけることが求められています。これにより、親から仕送りされる大切なお金を無駄使いなく使っているのかを自分で確かめることができます。大人がつける家計簿にも相当します。企業の粉飾問題も取りざたされる時代ですが、男子部生は若い時代にお金に対する公明さを身をもって学んでいきます。
そこに必要なものは “Live simply, Think highly.” (簡素な生活、高尚な思想)の精神です。

食料
食事主任を中心とした食糧の係は、食事の残飯も調査します。親から送られてきた食費を無駄なく生かすことができているのかという、生徒自身の自覚を促す取り組みです。残飯の量は記録され、定期的に寮生に報告がなされます。

寮の自治生活の意義

こうして見てくると、自由学園の自治教育のなかで身につけられる知識は、暗記して覚えるだけの知識ではないことがわかります。
現在の日本や世界で抱えている大きな問題の一部は「環境問題」「経済問題」「食糧問題」です。自治寮の生活の中で学園生は、自分たちの暮らす環境について考え、支出と収入のバランスを考えて消費し、食料の無駄を減らしていきます。こうした日々の営みは、まさしく、これらの問題を身近な例から考え始め、問題解決のために取り組んでいくことに他なりません。

  • 男子学生寮の食の係

    食の係

  • 男子学生寮の掃除

    寮の掃除

Sプロ

Sプロとは、寮の19:00から始まる100分間の「集中勉強」中に行なわれる勉強会です。高等科の勉強自慢の生徒たちが中等科の生徒たちに勉強を教えます。科目は主に英語と数学です。その他に習字にも取り組むことがあります。
先輩たちも、後輩たちに教えることを通して理解を深め、教える立場から学ぶことの意義を感じ取っていきます。個々人の点数の伸びだけを求めるのではなく、互いに成長し合う「学び合う教育」の一つの形がここに実現されています。
そして忙しい時間を縫って、有志の保護者の方々も応援に駆けつけてくださいます。そこには、うちの子、よその子の区別など見られません。子どもたちみんなを我が子のように親身になって教えてくださいます。生徒たちにとっても感謝に溢れる時間です。

教える立場を経験した高等科生の感想

「振り返って見て、教えることの難しさを再確認しました。自分では理屈がわかっているのに、それを教えるのはかなり苦労しました。人に教えることができて、ようやく学習したと言えるのではないでしょうか。」(N・M)

「受け持ったのは中等科1年生で、教科は数学だった。教える側として気をつけたことは、みんなが本当に理解しているかどうか、一つ進むごとに確認することだった。そして「わかったかな?」とこちらから呼びかけてみて、返事をしていない者などにはもう一度その場で個人的に呼びかけ、遅れる者がいないように気を配った。最後のSプロ終了後には、受講していた1年生たちがホワイトボードに『ありがとうございました』などと書き置きをしていてくれて心が温まった。」(T・S)

生徒の感想…保護者の方々に教えていただいて

「毎週僕たちのために来てくださってありがとうございます。おかげでだいぶ英語力がついたと思います。今後も自分で復習したいと思います。今までありがとうございました。」(R・M) 「自分でできるだけ復習して、毎回行なうようにしました。相似比はまあまあですが、証明はこの前のテストで100点を取れてうれしかったです。夜遅くまで教えていただいてありがとうございます。授業で成果が出て、とても良かったです。またいつか、教えてください。」(K・Y)

  • 男子学生寮で実施された保護者による授業の様子

    保護者による授業の様子

  • 男子学生寮内で生徒同士が教えあって学んでいる様子

    生徒同士で教えあって学んでいる様子

寮を支える大人たち

男子部の寮である東天寮は、「自治寮」です。選挙で選ばれた寮長を中心に運営されています。寮の生活を支えるのは、一人ひとりの寮生が責任をもって行なう係りや仕事です。その役割の範囲は、水道・電気使用量の節約、土日のレクリエーション、清掃道具の注文管理、そして小遣い帳のつけ方にまで及びます。この仕事と責任を果たすことで、一人ひとりが大切な存在であるということを再認識するに至るのです。男子部の「責任が人を育てる」の真骨頂です。
しかし、そんな自治寮の生活を支え、アドバイスを与える大人のサポートも大切な要素です。

寮母

寮母は自治寮のなかでもひときわ大きな存在です。体調不良な生徒の看病をして、生徒を支えます。寮母は新1年生を温かな愛をもって支え、導きます。寮母室にはそんな寮母を慕って、多くの寮生たちが集います。

栄養士、調理員

育ち盛りの寮生たちの食生活を支えるのが、栄養士と調理員です。献立は栄養のバランスが細かく配慮されています。また、栄養士は「食の委員会」の生徒たちと定期的に会議をとり、寮生たちの意見を積極的に取り入れて献立を作ります。

健康管理室の教員

忘れてならないのが寮生たちの健康と安全管理です。健康管理室(保健室)の教員が日常の健康管理から、インフルエンザの予防、発症時まで一手に対応します。

寮担任の教員

寮担当の教員が父親代わりに寮生たちの良き相談役を担います。
寮担当と健康管理室の教員は、近隣に在住し「もしも」の緊急対応を要する時や、夜間等、不測の事態のために待機しています。

  • 男子学生寮の寮母たち

    寮母

  • 男子学生寮の健康管理室の教員たち

    健康管理室の教員