学生寮での寮生活 - 自由学園 男子部/東京の私立中学・高校

学生寮での寮生活 - 東京の私立中学・高校【自由学園 男子部(中等科・高等科)】 - 中高一貫教育

教育内容・生活

寮生活

寮生活

寮生活について

男子部の寮は、夜明けを告げる鶏「東天紅」からとって「東天寮」と名づけられ、大人の寮監は置かず、生徒の自治で運営されています。男子部では新入生全員が1年間寮生活をします。中等科2年生以降は地方生と入寮を希望する生徒が寮生となり、さらに室長として部屋の責任を負う高等科3年生も全員が寮生となっています。

寮生活の目的は、自律したよい生活習慣を身につけ、人との関わりの中で人間関係を学び、自治生活の中で自分たちの住む社会を良くしていく力を身につけることにあります。

  • 男子学生寮:東天寮

    東天寮

  • 男子学生寮での夕食

    夕食

寮の基本時間

  • 基本時間
    5:30 起床
    5:45~6:00 乾布摩擦・身支度・部屋掃除
    6:00~6:30 朝食
    6:30~7:00 全体掃除・フロア掃除
    7:40 全員出発
    帰寮後
    18:00~18:30 夕食
    19:00~ 集中勉強開始
    20:40~ 中等科集中勉強終了・入浴時間
    21:30~ 中等科就寝
    高等科集中勉強終了・入浴時間
    22:30 全員就寝
  • 基本時間(土曜日)
    5:30 起床
    5:45~6:00 乾布摩擦・身支度・部屋掃除
    6:00~6:30 朝食
    6:30~7:00 全体掃除・フロア掃除
    7:40 全員出発
    帰寮後
    18:00~18:30 夕食
    21:00~ 門限
    22:00~ 中等科就寝
    23:30~ 高等科就寝
  • 基本時間(日曜日)
    7:00 起床
    7:00~7:20 身支度
    7:30~8:00 朝食
    12:00~12:30 昼食
    17:30~18:00 夕食
    19:00 門限
    19:00~20:00 静かにする時間
    21:30 中等科就寝
    22:30 高等科就寝

男子学生寮での食事の後片付け

5:30起床から、朝食の自炊、食事と後片付け、掃除、洗濯、そして夜7時から100分の集中勉強、戸締り、火の元の確認、中等科21:30・高等科22:30の就寝まで、生徒だけの自治生活が営まれています。各部屋は約8人ずつで共同生活を送ります。

掃除

部屋掃除では自分の部屋とその周辺をしっかり掃除します。全体掃除は、食堂・玄関・風呂場など、みんなで使う場所を部屋ごとに分担して掃除します。掃除する場所は毎週変わります。

朝食

食事作りは当番制で当番になると起床前に起きて寮生全員分の朝食を作ります。

夕食

調理員の方々にバランスのよい食事を作っていただいています。

集中勉強

男子学生寮での勉強風景

集中して授業の復習や宿題をする時間です。週に4日間は、男子部の教員が食堂にいて生徒の質問や相談にのっています。また、同級生同士、上下級生で質問・説明・議論したりして、学びを深めています。また、父母ボランティアの方々による個別の学習サポートも行われています。

休日について

土曜日の解散後から日曜日の集合(午後7時)までは、外出と外泊ができます。友達同士で買いものに行ったり楽しくすごしています。日曜日の19:00に集合、全員点呼して、通常の寮生活に戻ります。

自治組織

寮のすべての生活は寮生の自治によって営まれています。自治の中心にあるのは、寮長を中心とした委員会です。中等科1年から高等科3年までの8名で構成されています。各々が担当する食や住のことに限らず、寮生活を営む上での問題点や方向性について話し合い、寮生に提案します。
また、寮には委員会とは別に、衣食住やこづかい帳、勉強に関する自治組織があります。
衣服の管理や洗濯に関することを考えて実行する「衣の係」、食事や食器に関すること、食事の残量をゼロにするにはどうするかを考える「食改善の係」、簡単な修繕や節電の呼びかけ、住みやすい寮にするにはどうするかを考える「くらしの係」、各自で予算を立てた上でこづかい帳をきちんと記入して、家庭に経済報告をすることを励ます「こづかい帳の係」、勉強についての質と量の向上を検討して実行する「Sプロの係」(次項で説明)の5つがあります。5つの係が一堂に会して横断的に寮の生活の向上を考える「サミット」も定期的に開催しています。

  • 男子学生寮の食の係

    食の係

  • 男子学生寮の掃除

    寮の掃除

Sプロ

Sプロとは、寮の19:00から始まる100分間の「集中勉強」中に行なわれる勉強会です。高等科の勉強自慢の生徒たちが中等科の生徒たちに勉強を教えます。科目は主に英語と数学です。その他に習字にも取り組むことがあります。
先輩たちも、後輩たちに教えることを通して理解を深め、教える立場から学ぶことの意義を感じ取っていきます。個々人の点数の伸びだけを求めるのではなく、互いに成長し合う「学び合う教育」の一つの形がここに実現されています。
そして忙しい時間を縫って、有志の保護者の方々も応援に駆けつけてくださいます。そこには、うちの子、よその子の区別など見られません。子どもたちみんなを我が子のように親身になって教えてくださいます。生徒たちにとっても感謝に溢れる時間です。

教える立場を経験した高等科生の感想

「振り返って見て、教えることの難しさを再確認しました。自分では理屈がわかっているのに、それを教えるのはかなり苦労しました。人に教えることができて、ようやく学習したと言えるのではないでしょうか。」(N・M)

「受け持ったのは中等科1年生で、教科は数学だった。教える側として気をつけたことは、みんなが本当に理解しているかどうか、一つ進むごとに確認することだった。そして「わかったかな?」とこちらから呼びかけてみて、返事をしていない者などにはもう一度その場で個人的に呼びかけ、遅れる者がいないように気を配った。最後のSプロ終了後には、受講していた1年生たちがホワイトボードに『ありがとうございました』などと書き置きをしていてくれて心が温まった。」(T・S)

生徒の感想…保護者の方々に教えていただいて

「毎週僕たちのために来てくださってありがとうございます。おかげでだいぶ英語力がついたと思います。今後も自分で復習したいと思います。今までありがとうございました。」(R・M) 「自分でできるだけ復習して、毎回行なうようにしました。相似比はまあまあですが、証明はこの前のテストで100点を取れてうれしかったです。夜遅くまで教えていただいてありがとうございます。授業で成果が出て、とても良かったです。またいつか、教えてください。」(K・Y)

  • 男子学生寮で実施された保護者による授業の様子

    保護者による授業の様子

  • 男子学生寮内で生徒同士が教えあって学んでいる様子

    生徒同士で教えあって学んでいる様子

寮を支える大人たち

男子部の寮である東天寮は、「自治寮」です。選挙で選ばれた寮長を中心に運営されています。寮の生活を支えるのは、一人ひとりの寮生が責任をもって行なう係りや仕事です。その役割の範囲は、水道・電気使用量の節約、土日のレクリエーション、清掃道具の注文管理、そして小遣い帳のつけ方にまで及びます。この仕事と責任を果たすことで、一人ひとりが大切な存在であるということを再認識するに至るのです。男子部の「責任が人を育てる」の真骨頂です。
しかし、そんな自治寮の生活を支え、アドバイスを与える大人のサポートも大切な要素です。

寮母

寮母は自治寮のなかでもひときわ大きな存在です。体調不良な生徒の看病をして、生徒を支えます。寮母は新1年生を温かな愛をもって支え、導きます。寮母室にはそんな寮母を慕って、多くの寮生たちが集います。

栄養士、調理員

育ち盛りの寮生たちの食生活を支えるのが、栄養士と調理員です。献立は栄養のバランスが細かく配慮されています。また、栄養士は「食の委員会」の生徒たちと定期的に会議をとり、寮生たちの意見を積極的に取り入れて献立を作ります。

健康管理室の教員

忘れてならないのが寮生たちの健康と安全管理です。健康管理室(保健室)の教員が日常の健康管理から、インフルエンザの予防、発症時まで一手に対応します。

寮担任の教員

寮担当の教員が父親代わりに寮生たちの良き相談役を担います。
寮担当と健康管理室の教員は、近隣に在住し「もしも」の緊急対応を要する時や、夜間等、不測の事態のために待機しています。

  • 男子学生寮の寮母たち

    寮母

  • 男子学生寮の健康管理室の教員たち

    健康管理室の教員