気象観測室では、栃木県那須塩原市に位置する自由学園那須農場で、自動気象観測の「安定化」に向けた改修作業を進めて来ましたが、12/26までに作業を終え、来たる新年からの本格運用に向けた体制を整えることができました。今回新たに地温(地下50cm)の計測を開始します。
農場での気象観測は、開場間もない1942年1月から開始され、1998年頃まで継続しました。その後10年を経て、2008年に最高学部生により自動観測機器が設置され、一部の観測が再開します。更に2016年3月からは気温・湿度に限りオンライ化され、遠隔でのデータ閲覧が可能になりました。一方、ハード・ソフトの両面で安定的にデータを蓄積することについては課題が残り、加えてコロナ渦で農場への往来が控えられたことともあり、露場や機器のメンテナンスがままならない状態でした。そこで2022年度から、段階的に機器の更新を進め、ハード面でより確実にデータを蓄積できるよう、独自に汎用製品を組み合わせたシステムを構築しました。
今後は、引き続き傷んだ部分の改修を進めるとともに、ソフト面として、データの蓄積はもとより活用にも注力していく計画です。
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文・写真:吉川 慎平(最高学部教員・環境文化創造センター長)