スカイプを通して、韓国の日本文学研究者のお話をうかがう講義が、2月6日、2年生必修の日本文学史で行われた。これは、この講義が年間を通して、国際化時代のなか、日本文化・文学はどう見られているか、世界に対して何ができるかをテーマにしていることから試みられた。お話ししてくださったのは、韓国放送通信大学教授、李愛淑(イー・エースク)先生。韓国の大学に在学していた頃から日本文学、とくに源氏物語を学びたいと志し、日本に留学してその研究を深められた。
当日は、李先生にインタビューをするという方法で進められ、「先生が学生の頃は、反日感情が強かったのではないか」「日本文化というと、世界的には一般にアニメーション、漫画、ゲームというイメージだが、韓国ではどうなのか」「日本に留学されたときの、日本の学生に対する印象は?」など、身近なところの質問から投げかけられた。それに答えながら、李先生は、自分が学生だった30年前は日本の文化・情報が厳しい規制のなかで伝えられていたが、今は漫画にしろアニメーションにしろ、ありのままに伝わっている、これはすばらしいことだとおっしゃった。国境の壁がなくなりつつあるこの時代に、お互いに関心を持つこと、同じ人間なんだという共感にもとづいて関係をつくっていくことが大切ではないか、というメッセージをくださってインタビューは終わった。
期末試験シーズンのなかで行われたこのインタビュー、学生たちには余裕のない時期だったかもしれないが、これは今後に向けての第一歩。李先生とは、こういう関係を徐々に深めていきましょう、と話し合った。
文・写真:室永優子(学部教員)