新緑を描く/近況(全学年) - 自由学園 初等部(小学校)/東京の私立小学校

新緑を描く/近況(全学年) - 東京の私立小学校【自由学園 初等部】 - 人間の土台を創る一貫教育

近況(全学年)

新緑を描く

2021年6月10日

2年生の美術より。4月半ばから取り組んだ「新緑の樹木」。すでに完成し、5月のお誕生日会で展示したり、先日の学校説明会で見ていただいたりしました。現在は食堂に展示されていますが、縦割り(2学年)による食事を見合わせていることもあり、恒例の食堂での鑑賞会も行えていません。いま、作品展示の場、鑑賞の方法など検討しているところです。もう少しお待ちください。

さて、2年生の「新緑の樹木」ですが、どのようにして生まれたのか、少しさかのぼって授業の様子を紹介したいと思います。

この授業では、教師から子どもたちに「新緑の若葉のみずみずしさがいっそう際立つ枝葉に着目し、身体全体を使って、のびのび描こう」と提案がありました。新緑の葉音が爽やかな春の風を浴びながら、木々が根を張る土の上で、2年生の身長ほどある大きな鳥の子紙に透明水彩絵の具で直接描いていきます。

立って勢いよく筆を走らせたり、腰を据えじっくりゆっくり描いたり、独り言をいいながらまるで木と対話するように描いたり、思い思いに描いていました。また、授業の過程では、子どもたちがより深く対象に向き合えるよう、毎時間さまざまな仕掛けが施されていました。例えば、導入で『木』(文:木島始、画:佐藤忠良)の朗読をしたり、一人ひとりの表現をみんなで見合ったり、教師が一人ひとりの絵に言葉を添えたり……。

春を感じ、春を描く。季節を表現することは、自分たちが生きている“今”を大切に過ごした証にもなります。2年生は昨年、コロナの影響から例年通りの入学式を経験することはできませんでした。そして、新入生としての時間を当たり前に過ごすこともできませんでした。つまり、現在の2年生にとっては、いまが自由学園で過ごす初めての春なのです。もし「新緑の樹木」の絵を見る機会がありましたら、そんな2年生のことも想像しながら、一人ひとりの“新緑”、“自由学園での春の時間”を感じてほしいと思います。

 

 

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