「米ブレイクスルー賞に素粒子測定の国際チーム、日本から山本明氏ら参加…『量子世界の理解に革命もたらした』」(4月19日、読売新聞オンライン)
日本の科学技術の成果が世界レベルで高く評価されるうれしいニュースが先週、新聞各紙で伝えられました。しかもそこには自由学園最高学部の卒業生山本明さんのお名前がありました。「ブレークスルー賞」は「シリコンバレーのノーベル賞」とも呼ばれています。
今回の国際共同研究チームに日本から高エネルギー加速器研究機構(KEK)が参加。受賞対象となったのは、欧州合同原子核研究所(CERN)、米国のブルックヘブン国立研究所(BNL) 、フェルミ国立加速器研究所(Fermilab) の連携で引き継がれた「ミューオンg−2実験」というものです。電子の約200倍の質量を持つミュー粒子の磁気的性質を60年以上にわたり測定し続けてきたこの研究は、現代物理学の基盤である標準理論の検証に重要な役割を果たし、「量子世界の理解に革命をもたらした」と評価されました。山本さんは、BNL, Fermiklab での実験に本質的な役割を果たした超伝導磁石の開発を担い、超精密測定を支える中核技術で貢献されました。
こうした国際的評価は今年に限ったものではなく、昨年も欧州合同原子核研究機関(CERN)での国際共同実験チーム・KEK メンバーとして、同じくブレークスルー賞を受賞。さらにさかのぼれば、同研究機関でのATLAS実験にも、深く関わり、2012年には「ヒッグス粒子」の発見にも貢献しています。また国内においても、山本さんは2016年には紫綬褒章、2023年には瑞宝中綬章を受章され、日本の科学技術を支える存在として高い評価を受けてきました。
お祝いのメールをお送りしたところ早速に山本さんより以下の言葉をいただきました。
「今回の受賞の対象となった私の貢献は、素粒子物理学におけるとても重要な基本パラメータの超精密測定において、欧州(CERN) 米国(BNL, Fermilab) での連携によって達成された7桁に迫る絶対測定精度に対しての国際連携での研究成果に与えられた評価でした。
私は、この中で、BNLにおける実験段階で、測定精度を飛躍的に高めるための切り札となった、超伝導技術を導入した精密観測基盤装置の設計、開発でした。
幸い開発に成功でき、BNL Fermilab に二大研究所での〜30年間に亘る観測に貢献することができました。新聞での報道に取り上げていただいたように、技術による貢献を通して、基礎科学の重要な発展に本質的な貢献ができたこと、心から光栄です。
これからも、自由学園で学んだ実学、培った技術を大切にし続けてまいります。
山本 明」
最先端の物理学の成果は、しばしば華やかな発見として語られますが、その裏側には装置開発や精密測定といった地道な努力があります。山本さんの歩みは、まさにそうした「縁の下の力持ち」としての研究の価値を体現しています。あらためましておめでとうございます。
なお写真は「ブレークスルー賞」の受賞研究所となったFermilab を訪問中の山本さんが、本日お送りくださったものです。

高橋和也

















