「晩秋に音楽のプレゼントを」と題した市民プラザアートボランティアシップコンサートが11月8日(土)午後2時から行われました。
ミュージカル「美女と野獣」より「おもてなしの歌」を歌いながら登場した学部生たちによる幕開けの後、探求で声楽を学ぶ学生がオペラアリアや日本歌曲を、弦楽オーケストラに所属している学生がヴァイオリンの二重奏や有名なアヴェマリアを演奏しました。高等部生の「華麗なる大ポロネーズ」は題名の如く華麗かつダイナミックなピアノで、10分間があっという間に感じられました。学部コーラスによる「オズの魔法使い」より「Over the rainbow」は、人間が希望を持てず苦しみながら生きている現状から、必ずや将来に虹がかかることを信じて生きようとする力強さが込められた曲ですが、学部生たちが編曲者の意図を汲み取って表現していることが、歌っている表情からも伝わってきました。レクイエムより「Pie Jesu」では、温かく豊かなハーモニーが会場を満たしました。最後は皆さまとご一緒に「紅葉」を歌ってコンサートを締めくくりました。
音楽の探求授業は、自分の興味関心事をより深め、その成果が独りよがりにならないために、他者の目と耳に触れる場が必要です。
今回のコンサートは、担当の先生が音楽探求の研究発表の場を求めて東久留米市のロビーコンサートに出演交渉を申し出たところ、昨年出演させていただいた南部地域センター交流祭での探求の発表が高評価をいただいていたことから実現したものです。
自由学園最高学部では芸術教育を人間教育の一つと考え、また、特にコーラスの授業は社会の縮図と捉え、音楽技術の習得だけにとらわれない指導をしています。未来を生きる彼らが耳で聞き、心でも聴く「音楽」を学ぶことによって、個々の技量や思考プロセスの違う他者と共に、音楽であれ社会であれ、素敵なものを創り上げていく力を育んでいると信じています。この学びを反映した学生たちの演奏は、音楽を専門にしている方々のような完成度は持たないものの、一味違った音楽の豊かさを醸し出していました。会場の皆さまの温かい拍手に包まれた彼らはとても輝いていました。
当日はポスターや市のホームページをご覧になった方々が、開場の一時間以上前から並んでいらしたそうです。
市民の皆様が残してくださったアンケートには「音大生ではないのに、素晴らしい演奏に魅了された。」「聴きにきて本当によかった。」「ぜひ来年もやってほしい。」などの多数の感想が寄せられました。ありがたいことです。
このような場を提供してくださった東久留米市役所市民プラザのスタッフの方々に心から感謝申し上げます。



文:佐々木順子(最高学部音楽統括)、写真:出演者保護者

















