毎年、最高学部の生活経営研究実習「庭園・自然環境:樹木グループ」の学生が、学園の新年を迎える準備として門松の設置を担当しています。学園内の庭園・樹木の維持管理を実習として行っている当グループですが、学園内3カ所の竹林の手入れも実習内容に含まれており、竹の有効活用は長年の課題でもあります。新年の準備としての門松の準備は、竹を利用する機会にもなっています。
門松の準備は樹木グループの1年を中心に行っていますが、11月頃からどのような門松を作るのか、竹はどこから切り出すのかなどを考えながら、準備を進めます。竹の切り出し、調整、材料の準備などを経て、12月28日に門松を正門に設置しました。
冬休みに入っていたため、遠方の学生は参加できませんでしたが、近郊の学部1、2年7名が登校して担当教員2名と共に、門松をたてました。竹の他、松やナンテンなども学園内の材料を使って制作しました。
学園の門松を毎年楽しみにしているという近隣の方からも、「いつも立派な門松ですね」などと声をかけていただきました。
今年、中心となって制作を進めた1年生の前田さん、山下さんは「門松の企画にあたり、日本各地の門松の竹の切り方やこもの長さ、飾り付けをする植物の種類などを調べ、参考にしました。竹は、節の途中で切る笑い口を採用し、斜めに切る際には竹を傷つけないように扱うことを意識しました。こもを縛る際にも、縁起の良い七・五・三にすることや、男結びという縄の結び方が用いられています。また、飾り付けのマツ、センリョウ、ナンテンにも健康や子孫繁栄、難を転じるなどの縁起を担ぐという意味があることを、この機会に知ることができてとても興味深かったです。設置の際には、2年生に教えていただきながら、一つ一つの工程を真心込めて行い、縄も丁寧に結び上げたので、2023年の最後に私たち自身の気持ちを引き締められ、清々しく新年を迎えることができそうです」との感想を述べていました。
門松は学園正門を新年5日まで飾る予定です。
文・写真:小田 幸子(最高学部教員・環境文化創造センター次長)