9月28日:2年生が飯能・名栗フィールド活動を行いました/研究・実習 - 自由学園 最高学部(大学部)/ 最先端の大学教育

9月28日:2年生が飯能・名栗フィールド活動を行いました/研究・実習 - 最先端の大学教育【自由学園 最高学部(大学部)】

研究・実習

9月28日:2年生が飯能・名栗フィールド活動を行いました

2024年10月23日

9月28日(土)、学部2年は昨年に引き続き飯能・名栗フィールド活動を行いました。
1年次では「学園のフィールドを知る」を大きな目的として、正丸峠にある男子部が約70年かけて植林・育林を行って来た植林地に敷設された作業道を歩きながら林内の様子を観察した後、上名栗にある卒業生(男子部19回生)の柏木正之さん(元名栗村村長、大松閣代表取締役会長)が代表を務める(一社)名栗すこやか村が管理する古民家にてお弁当をいただき屋内外の見学をしました。
2年次は、秋期から始まる「フィールド研究基礎」につながる学びも意識した活動も加えた内容としました。これまでの経過はこちら

当日は9時にノーラ名栗・さわらびの湯のバス停で集合予定でしたが、10分前に全員が集合したので少しスケジュールを早めて開始しました。参加者は、昨年参加できなかった3年生1名と、TAとして領域横断研究フィールドサイエンスゼミの3年、4年各1名、引率教員3名の23名です。集合場所から徒歩で名栗湖(有間ダム)へ移動し、ここで「フィールド研究基礎」を担当で(元)ダムマイスターでもある吉川慎平先生から、有間ダムの特徴や都市を支えるインフラについての解説を伺いました。

 

路線バスを利用しノーラ名栗前に集合

 

有間ダム(名栗湖)の機能について解説

 

更に名栗カヌー工房へ移動し、工房の山田直之様より説明を伺いました。ここではカヌー体験の他にも自分の手でカヌーや木製品の制作する体験などができます。地域産の木材を利用して名栗湖(ダム湖)を観光資源として活用したいという願いから工房が設立されたことなどを伺いました。学生からは「カヌーを作るのにかかる時間はどのくらいですか?」などの質問がありました。次にライフジャケットを着用して桟橋に移動し、諸注意とカヌーの漕ぎ方を教えていただいき2人1組でカナディアンカヌーに乗船し出艇しました。このカヌー体験では、カヌーを楽しむだけではなく2人で相談しながら湖の5地点で水温・気温を測定し、記録するという課題がありました。場所による気温・温度の違いなどを具体的に見える化したいと考えています。 約1時間のカヌー体験で、最後には皆上手にオールを操りとても楽しそうでした。

 

名栗カヌー工房で設立経緯などのお話を伺う

 

桟橋に降りてパドルの使い方を習う

 

名栗湖へ、いざ出艇!

 

ダム湖周辺環境も楽しみます

 

次に2班に分かれて車で入間川の河原に移動し、川の流量測定を行いました。ここでは、吉川先生とTAの2名が川幅、水深、流速の測定デモを行いました。これらの数値から計算で流量を求めます。流量を求める前に、全員が川をみて予想する流量値を述べ、後ほど計算値との照合をおこないました。

 

入間川での流量観測のデモ

 

その後、河原から車で古民家に移動してお弁当を頂いた後、柏木正之さんからお話を伺いました。林業を主産業としていた名栗地域が林業の衰退と共に変化していった歴史、山間地域をどう守っていくかは災害時の被害軽減等ともつながる今現在の大きな課題であることを、能登での豪雨被害にも触れられてお話されました。そして、古民家を利活用しながら維持して行こうとしている意図をお話され、地域全体を良い状態で保っていくことが大切と結ばれました。続いて、卒業生(男子部73回生)の松島耕太さんから、最高学部の卒業研究で名栗地域のことを取り上げたことが縁となり、現在は飯能市内で仕事をしながら名栗に家を求め、コミュニティ活動にも積極的に取り組んでいる様子を話していただきました。
最後に計測した流量についてTAの2人から話をしてもらい、14:30頃解散しました。

 

名栗すこやか村の古民家で柏木正之さんからお話を伺う

 

卒業生の松島耕太さんのお話を伺う

 

学生からは「柏木さん、松島さんのお話にもあった、手入れをされていない森林の問題や、森林面積が75%であることは東京に住んでいる自分は日ごろ意識していないので森林の管理という問題を自分も意識しなければならないと思った」「ダムには利用目的による違いや、貯水や放流の際の工夫などがあることを知った」「楽しくいろいろなことを学べる1日だった。実際に見て、聞いて、やってみたからこそ、実感をもって学べたのだと思う」などの感想がありました。

学部1、2年次に行う飯能・名栗フィールドを活かしたプログラムも、充実した内容になってきたと思います。このプログラムにご協力いただいた皆さまに感謝いたします。また、これらの経験がこれまでの学園の活動・歴史への理解を深め、更に学部での研究活動や社会の課題へとつながるものとなるようにと願っています。

 

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文・写真:小田 幸子(最高学部教員・環境文化創造センター次長)・写真:吉川 慎平(最高学部教員・環境文化創造センター長)

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