9月30日:2年生が飯能・名栗フィールド活動を行いました/研究・実習 - 自由学園 最高学部(大学部)/ 最先端の大学教育

9月30日:2年生が飯能・名栗フィールド活動を行いました/研究・実習 - 最先端の大学教育【自由学園 最高学部(大学部)】

研究・実習

9月30日:2年生が飯能・名栗フィールド活動を行いました

2023年10月17日

9月30日(土)、2年生全員で2年目の飯能・名栗フィールド活動を行いました。昨年、1年生の飯能・名栗フィールド活動は「学園のフィールドを知る」を大きな目的として、正丸峠において男子部が約70年かけて植林・育林を行って来た林内に敷設された作業道を歩きながら林内の様子を観察した後、上名栗にある男子部19回生の柏木正之さん(元名栗村村長、大松閣代表取締役会長)が代表を務める(一社)名栗すこやか村が管理する古民家にてお話を伺うという内容でした。今年度は、秋期から始まる4年課程2年生の必修講義「フィールド研究基礎」につながる学びも意識した活動を行いました。

 

名栗すこやか村の古民家で記念撮影

 

当日は、9時にノーラ名栗・さわらびの湯のバス停で集合。欠席1名を除く24名が元気に集合しました。徒歩で名栗湖(有間ダム)へ移動し、ここで「フィールド研究基礎」の担当でダムマイスターでもある吉川慎平先生から、ダムの役割など都市を支えるインフラについて、また有間ダムの特徴などについての解説を伺いました。

 

交通は地元路線バスを活用

 

ノーラ名栗前に集合

 

有間ダム(名栗湖)の機能について解説

 

その後、名栗カヌー工房へ移動し、始めに工房内で説明を伺いました。この工房ではカヌー体験の他にも自分の手でカヌーを制作する体験などもできます。この日も、進水式を待つばかりのカヌーや、まだ製作途中のカヌーが並んでいました。学生からは「カヌーを作る木材はどのように調達しているのですか?(地元の西川材を市場で入手し、工房の製材所で加工している)」「カヌーを作るのにかかる時間はどのくらいですか?(週1回通って40日位かかる)」などの質問がありました。次にライフジャケットを着用して桟橋に移動し、諸注意とカヌーの漕ぎ方を教えていただいて、いよいよ2人で一艇のカヌー(カナディアンカヌー)に乗船し出艇です。実は、このカヌー体験にはカヌーを楽しむだけではなく、大切な目的がありました。それはグループで相談しながら湖の5地点で水温を測定し、水のサンプルを採ることでした。このサンプルを使って後で電気伝導率(EC)などを測り、地点による違いがあるのかなどを後日検討します。初めてカヌーに乗る学生が殆どでしたが、約1時間のカヌー体験は皆上手にパドルを操り、とても楽しそうでした。

 

名栗カヌー工房で設立経緯などのお話を伺う

 

桟橋に降りてパドルの使い方を習う

 

名栗湖へ、いざ出艇!

 

水温等の場所による違いを確認します

 

ダム湖周辺環境も楽しみます

 

続いて、2班に分かれて車で入間川の河原に移動し、川の流量測定を行いました。ここでは、吉川先生と水文・気象観測室の2名が川幅、水深、流速の観測デモを行いました。これらの数値から計算で流量を求めます。流量を求める前に、全員が川をみて予想する流量値(1秒間に何リットルの水が流れているか?)を書き出し、これも後ほど計算値との照合を行いました。その後、河原から車で名栗すこやか村の古民家に移動し、お弁当を頂いた後、電気伝導率(EC)の測定と流量の計算を行いました。そして、今日の振り返りを行い、予測が実際に近かった3名の名前と予測値を披露しました。最後に古民家の清掃を行い、記念撮影の後、14時30分頃解散しました。

 

入間川での流量観測のデモ

 

名栗すこやか村の古民家で休憩

 

班ごとに水質を測定し結果を確認する

 

学生からは「ダムにも目的による違いや、建設する場所による違いがあることを知った。また、水位を調節し洪水から守っている役割についても知ることができた」「間伐材を建築などに利用するだけでなく、アクティビティを創出するという発想に驚いた」「実際にフィールドで測定することで、目にしているものからデータを取り出し、それを活用するということは、研究手法として大事なことだと思った」「初めてカヌーに乗り、とても楽しかった。また、アクティビティと学びを織り交ぜた企画が良かったと思う」などの感想がありました。

学部1年次に引き続き、今年も学園のフィールドを活かした企画を実施できたことに、関係する皆さまのご尽力に感謝いたします。そして、これらの経験がこれまでの学園の活動・歴史への理解を深めると共に、学部での研究活動や社会の課題へとつながるものとなるようにと願っています。

 

関連記事はこちら
(2022/9/25)2年生が飯能・名栗フィールド活動を行いました
(2022/5/8)1年生対象の新しい「飯能・名栗フィールド活動」がはじまる
(2022/5/8)【教育】最高学部で新しい「飯能・名栗フィールド活動」が始まる

 

文・写真:小田 幸子(最高学部教員・環境文化創造センター次長)・写真:吉川 慎平(最高学部教員・環境文化創造センター長)・

カテゴリー

月別アーカイブ