【教育】最高学部で新しい「飯能・名栗フィールド活動」が始まる/環境文化創造センター - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

【教育】最高学部で新しい「飯能・名栗フィールド活動」が始まる/環境文化創造センター - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】

環境文化創造センター

【教育】最高学部で新しい「飯能・名栗フィールド活動」が始まる

2022年5月8日

2018年度に発足した環境文化創造センター(以下,Eセンター)の役割の一つとして,全学の環境に関わる教育のサポートやフィールドの紹介があります.4月30日に最高学部1年生は,今年度より新たに開始した「飯能・名栗フィールド活動」として,クラス全員で自由学園名栗植林地(飯能市との分収林)と,新名栗フィールド(卒業生の柏木正之さんが代表を務める(一社)名栗すこやか村が管理する古民家と山林の総称,2015年に学園と活動協定を締結)に出掛けました.飯能・名栗フィールドとは,従来の名栗植林地や新名栗フィールドを核に,地域全体をフィールドとして捉えていこうというものです.
当日の詳しい様子についてはこちらをご覧ください.

 

班ごとに森林作業道を散策する最高学部1年生

 

ヤマツツジと新緑

 

プログラムとしては,(1)西武秩父線正丸駅に集合し,駅から正丸峠までのハイキング(保健・体育教員が指導),(2)名栗植林地に整備された森林作業道を散策しながらのクイズラリー(Eセンターが出題を支援),(3)昼食は1950年の名栗植林地開設以来活動を見守ってくださっている正丸峠の奥村茶屋さんでの昼食(お弁当),(4)新名栗フィールドで古民家と里山の見学に加え,柏木正之さんから名栗地域の現状と展望についてお話を伺いました.
新名栗フィールドからの帰路は,全員が路線バスを利用し,希望者は名栗地区の観光施設などに立ち寄るなどしました。

 

班ごとに林内の二次元コードを読み取りクイズに答える

 

古民家で柏木正之さんのお話を伺う

 

従来,最高学部では、2015年から新型コロナウイルスの感染拡大で休止となるまで,男子学生が卒業までに2度,埼玉県飯能市の新名栗フィールドで,針広混交林化による明るい里山づくりを目指した活動を行なってきました.これは男子最高学部時代の1966年にはじまり,2014年に終了となった三重県海山町(現・紀北町)の海山植林地での「植林活動」の流れを汲むものです.

一方,学園としては名栗,海山,黒羽(現・栃木県大田原市)植林地の今後の方向づけなど,「植林活動」に関する課題が山積しており,2018年からEセンターが中心となって,地元自治体や関係者と協議を重ねながら検討を行なって来ました.その結果,大きな方向性として従来の労働を主体とした「植林活動」の場から,地域との連携を土台とした「教育・研究フィールド」へと転換し,全学的な利用を振興していくこととしました.

今回の最高学部における新しい飯能・名栗フィールド活動はそうした一環で,課題となっていた女子学生の参加も実現しました.また名栗植林地の散策は,2021年に飯能市主体の「水源地域の森づくり事業(埼玉県)」によって整備された森林作業道が利用できたことで,安全かつ円滑に行うことができました.飯能・名栗フィールドでの今後の具体的な活動のアイディアは,活動に参加した学生の中から生まれることが期待されています.既に最高学部では「水文・気象観測室(自主活動)」の学生が飯能・名栗フィールドで活動し,足繁く通うことで,観測に留まらず林内の野生動物や植物の調査などを始めようとしています.

 

フィールドの情報を凝縮した「自由学園キャンパスカード」の試作品

 

正丸峠の様子

 

またEセンターでは,かねてよりフィールドに関心を持ってもらうべく構想していた、「自由学園キャンパスカード」を試作(手作り)し,来訪記念として参加者に配布しました.背面にはフィールドの概要を記しており,ミニ版パンフレットと位置付けられます.今後も全学の環境に関わる教育・研究・マネジメント・社会活動の側方支援と,自由学園のキャンパス・フィールドを活かした学びの振興,同時に地元地域との連携強化を推進していきたいと考えています.

 

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文・写真:吉川 慎平(環境文化創造センター長・最高学部教員)

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