学園長メッセージ - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

学園長メッセージ - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】

自由学園について

学園長メッセージ

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学園長 高橋和也

学園長
高橋 和也

一生につなぐ毎日がここにある

今、社会は大きな転換期を迎えています。環境破壊、紛争や戦争、貧富の格差等々、様々な局面でこれまでの世界の枠組みが大きく揺らぎ、先の見えない状況が広がっています。また10年後に社会に出る子どもたちの半数は、今は存在していない職業に就くだろう、といった予測もされています。若い皆さんが生きる未来の社会は、このような正解のない問いに向き合い、自ら新しい道を切り拓いていくことが求められる社会です。

このような状況で思い出されるのは、アインシュタインの「ある問題を引き起こしたのと同じマインドセットのままで、その問題を解決することはできない」という言葉です。マインドセットとは物事に向かう心のありかた、価値観や思い込みなどの意味です。原発事故を生んだ経済最優先の発想のままで、この問題の解決の道を見いだすことはできないということです。これは教育についてもいえることで、教育は未来を創る人を育てる重要な鍵と言われますが、今の時代は、私たち大人が自分たちが受けた教育を繰り返していては、この時代の抱える問題に立ち向かえる人を育てることはできないという状況にあります。そのため世界中で、教育自体のマインドセットの転換が求められ、新しい教育のありかたが模索されています。

この新しい教育の中心課題は、「どれほど多くの知識を暗記しているか」ではなく、「いかに自ら学び自ら考える力を育てるか」という点におかれています。またこれに合わせて、「知るための学び」から、「共に生きる社会を創るための学び」=「自分自身と社会を変容させる学び “Learning to Transform Oneself and Society”」こそが重要であると考えられるようになりました。

自由学園の創立者は今から80年以上前に、「自由、協力、愛」に根ざした共生社会の実現を目指して、当時の教育と社会のマインドセットの転換を求め、「学校は単に社会に人材を送り出すところであるという思いにかえて、教育は新社会をつくるものであるという信念を打ち建ててゆきたい」と述べました。
自由学園の入学式では、毎年新入生は「あなた方が入学したのは自由学園をよくするためです。先生はただ一人、イエス・キリストです」という学園長の言葉で迎え入れられますが、ここには「今日から始まる毎日の学校生活を通じて、自分で考え、あなた自身がよいと思ったことを実行できる人になりましょう。そして皆で力を合わせて神様に喜んでいただけるよりよい社会を創り出していきましょう。私たちの変わることのない先生はただ一人、イエス・キリストです」というメッセージが込められています。私たちは一生涯の土台となるよく生きる力を育み、よりよい未来を創り出す力を育てる教育を目指しています。

「生きる」という行為は動物もしていることですが、「よく生きる」、「よりよい未来を創る」という選択的な行為は、自由な意志を与えられている人間のみができることです。意志が発達し、自ら考え、独立した一人格へと成長していく若い時期にこそ、知性を磨き体を鍛えることと共に、じっくりと心を耕し、「よく生きるとは?よりよい未来とは?」と自ら問い、考え、そして自分自身の行動につなげる経験が必要です。すべての学びは点数のためではなく、この問いに向き合うためにこそあるのではないでしょうか。 その答えは教科書にも参考書にも書かれてはいません。友達や先生の答えは自分の答えにはなりません。しかし自分一人で見つけられるものでもありません。様々な可能性を引き出す豊かな体験と、共に生きる仲間との豊かな交わりを通じて、頭と体と心を十分に働かせる毎日の生活の中で、ゆっくりと自分自身の生き方として形作られていくものです。 
自由学園はじっくり時間をかけて、一人ひとりが自ら主体的に、よく生き、よりよい未来を創り出す力を育てていく学校です。毎日の自分の生き方が、未来の自分を創ります。今日心を込めたこの生活が、未来の生き方を創ります。一生につなぐ毎日がこの学校にあります。「つなぐ」のは皆さん自身です。