2年生が飯能・名栗フィールド活動を行いました/学生生活・学外活動 - 自由学園 最高学部(大学部)/ 最先端の大学教育

2年生が飯能・名栗フィールド活動を行いました/学生生活・学外活動 - 最先端の大学教育【自由学園 最高学部(大学部)】

学生生活・学外活動

2年生が飯能・名栗フィールド活動を行いました

2022年9月25日

長らく最高学部では、男子学生が在学期間中に海山植林地(三重県紀北町)の育林活動に参加することが卒業要件となっていましたが、2021年度進学の学生からは男女問わず海山植林地から転進した新名栗フィールドを含む「飯能・名栗フィールド」での活動を行うことになりました。

4月には1年生が飯能・名栗フィールドを訪れ、新しい形態での活動に先鞭を付けました。続いて2年生は夏休み明けの9月17日(土)にクラス全員で同様の活動を行うことになりました。

 

天気が心配されましたが過ごしやすい1日でした

 

当日8時30分に学生13人,引率教員3人が西武秩父線・正丸駅に集合しました。欠席・遅刻者もなく、2台の学園車に分乗して正丸峠に向かいました。林内に入るための装備を整え、吉川先生からの説明を受けた後、昨年整備された森林作業道に入りました。気象観測機器を設置した箇所では水文・気象観測室員である2年生の2名から機器の説明と設置目的についての解説がありました。ここに設置された雨量計が気象庁検定を受けたものであること、観測データは最新の方式で送信できるという話がありました。その後、植林された樹種(スギ、サワラ、ヒノキ)についての解説や作業道に面した斜面に見える地質の解説などを聞きながら、植林地を散策しました。作業道の終点にも設置されている気象観測機器の説明を受けた後「キャンパスカード:名栗植林地版」が参加者全員に配布されました。その後、男子部の名栗活動の拠点となっていた「名栗作業小屋」に女子学生も含めた学生が訪れました。

植林地の散策の後、正丸峠の奥村茶屋さんのお弁当(正丸丼)を受け取り、車で(一社)名栗すこやか村が管理する「古民家」に向かいました。途中植林地から流出する沢の最下流に設けられた「通称:名栗ダム」(流量観測を目的としたもの)の見学と、横瀬川上流での流量観測・水質調査など、水文・気象観測室がこれまで行って来ているフィールドでの研究実践を見学しました。これは10月からの秋期に開講される4年課程2年生の必修科目「フィールド研究基礎」の演習という位置づけです。目の前の自然の河川を流れている水の量は、毎秒どれぐらいか?を各自から直感で答えてもらった後、実際に観測を行い後日答え合わせをすることにしました。

 

標高636mの正丸峠で概要説明

 

同級生の水文・気象観測室員から機器の説明を聞く

 

名栗植林地の林内で記念撮影

 

流量観測の経験

 

古民家では男子部19回生の柏木正之さん(一社名栗すこやか村代表・最後の名栗村村長)が出迎えて下さいました。昼食の後、周辺の散策などを行い、「キャンパスカード:新名栗フィールド版」が配布され解散しました。その後、希望者は飯能市内の埼玉県営・有間ダムと飯能市立博物館の見学を行い、地域についての理解を深めました。

参加した学生からは「印象に残ったのは、やはり学園の植林している区域の見学をしたことです。初めて行ってみて、男子部生が名栗に行ってどんなことをやっているのかを知ったり、植林している木がどのような役に立っているのかなども学ぶことができ、新たな発見になりました」「名栗には昨年も違う講義内で行く機会があったが、今回はまた気象観測や水質調査など、異なる視点で学び得ることができてよかった。クラスに水文・気象観測室のメンバーがいる中で、詳しい活動内容を間近にすることが少なかったため、今回を彼らが学園の調査記録としても、そして名栗の自然にとっても重要な活動を行なっているのだと知った」などの感想がありました。

最高学部としては、1・2年生がクラス単位で飯能・名栗フィールドの活動を行うという新たな展開の年となりました。今後その経験を、学園のフィールドを教育・研究への活用に結びつけて行けるような仕組みを構築していきたいと考えています。

 

 

古民家で柏木さんのお話を伺う

 

希望者で有間ダムを見学

 

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文・写真:小田 幸子(最高学部教員・環境文化創造センター次長)・写真:吉川 慎平(最高学部教員・環境文化創造センター長)

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