9月28日、学部2年生は9月17日に行なった飯能・名栗フィールド活動の振り返りを行いました。
はじめに、活動の後に提出してもらったリフレクションシートの内容をいくつか共有しました(全員のシートはクラス内で後ほど共有)。「植林地内で見られた植生や地質に関心を持った」「手入れをされた人工林とそうでない人工林を実際に比較して見て、違いが理解できた」「男子部生がどのような場所で活動して来たか、現場に行ってみることができて良かった(女子学生の感想)」「水文・気象観測室の人達の活動の様子を知ることができた」などの意見・感想がありました。また、オプショナルツアーで行った有間ダムの見学が印象に残った学生も少なくなかったようです。
次に、植林地からの沢が合流する横瀬川上流の小河川で行った流量計測実験に関する答え合わせをしました。当日、川の流れを見てもらい「毎秒何リットルの水が流れているか?」という質問に直感的に1人1人に答えてもらったものと、実際の数値を照らし合わせて発表しました。発表に先立って、水文・気象観測室員であり今回の活動のリーダーを務めた宮代雅章さんから、流量を求める式の解説をしてもらってから毎秒94リットルという答えを発表しました。近似の数値を答えられた学生はいませんでしたが、比較的近い数値を答えた3人に神明久副学部長から記念品の引換券が手渡されました。
なお、この計測実験は秋期に開講される「フィールド研究基礎」に通じる取り組みであること、全くの自然の中から「データ」を取り出すという試みであり、日ごろから身近なものの大きさや量を把握する感覚を鍛えることの大切さということを、講義を担当される吉川慎平先生から話していただきました。
今回の「振り返り」を終えて学生からは「ドラム缶(200リットル)位の流量だと思ったが、その半分位だったということで目算が多かったなと思った」「このような経験が出来るのは学園ならではだと思った。将来自慢できる話になるかなと思うと不思議です」「名栗フィールドと活かした活動が今後も続き、多くの人がこれまでの植林活動について知ることが出来たらよいと思う」「こうして事後に皆の意見や感想を聞いてみると共感できることや、新たな発見があった。流量は実際に測っている場面を見て調査に欠かせない項目であることや、自分が思っていた以上の水が流れているとわかり勉強になった」「あの部分で毎秒94リットルも流れているとすると、河口では毎日どのくらいの量の水が流れているのか気になった」などの感想がありました。
この企画の責任者である神明久副学部長は総括して、次のように述べています。「今年から始まった名栗・飯能フィールド活動は、1年生ではまず自由学園の持つフィールドを知り、2年生ではそこから興味関心を深め、後期課程では最高学部ならではの特色ある研究や社会への取り組みが生まれることを狙いとしています。そういった意味では、今回出席した2年生が、名栗の地質や河川の調査に興味を持ってくれたことをうれしく思います。今後、さらなるプログラムの充実を図り、学部生の自由学園のフィールドへの理解と利用が増えていくことを願っています」
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2年生が飯能・名栗フィールド活動を行いました
文:小田 幸子(最高学部教員・環境文化創造センター次長)・写真:吉川 慎平(最高学部教員・環境文化創造センター長)