最高学部の自由選択科目「都市環境工学(秋期)」では、普段意識する機会の少ない、私達の生活基盤を支える「インフラストラクチャー(社会資本)」に注目し、その役割・機能をはじめ、整備や維持における課題・問題点、最新の事例や技術の一端に触れ、人と環境が調和した「より良い社会づくり」を考える基礎を学びます。春期はグリーインフラとビオトープ論についてテキストを用いて学び、秋期はインフラとは何か?にはじまり、道路(交通・バリアフリー)、鉄道、港湾・空港、廃棄物、河川・ダム、上下水道等を中心に学びました。
秋期も終盤に差し掛かった1月18日には、身近な南沢キャンパスを一つの「街」と捉え、生活を支えるインフラがどのようになっているかという視点で、様々な学園の施設・設備を実際に見て歩くツアーを実施しました。
具体的には創立90周年記念事業により整備された園路の透水性舗装や雨水排水幹線をはじめ、上・中・下水道設備、電気・ガス設備、通信設備などを約1時間かけて巡りました。またキャンパスに隣接した西武池袋線の立野川橋梁(大沢開渠)のレンガ積み橋台遺構も見学し、身近な場所にも100年前の歴史的土木構造物が残存していることを確認しました。最後に教室に戻って、図面上でその複雑さを再確認しました。
出席者からは「今までなんとなく歩いていた学園の中で、生活を維持する為に様々なインフラ整備がされていることが知れた」、「西武線の橋など地域の歴史と共に学園が息づき、インフラを使用することで現在まで続いているということを五感で確認できた機会だった」といった感想が聞かれました。
* 西武池袋線の立野川橋梁については詳しくはこちら
写真:丸原 歩(最高学部2年)・文:吉川 慎平(学部教員・環境文化創造センター長)