最高学部の男子学生は全員が卒業までに少なくとも2回、長期休暇を利用して埼玉県名栗で植林・育林活動を行う。その活動内容は、枝打ち、伐採、運搬、山道の修繕や近隣の学校の草刈り等々多岐にわたる。今回の夏休みは7月下旬、8月上旬、下旬の3期に分かれて、それぞれ5~6名の学生と引率・指導の山本幸右先生とで活動を行った。

名栗での活動の様子
私が参加したのは今夏第2期にあたる8月5日から11日までの活動で、主な活動内容は山で切り出した丸太材を山の下まで運び出す運材作業であった。1日の流れは至ってシンプルである。朝4時起床、朝食をすませてすぐに山へと向かう。切り出された丸太(重いものは3人がかりで持ち上げるのも困難であった)を斜面から架線を張った箇所まで運搬する。一区画の丸太を運び終えたら、架線を利用し、滑車で山の下まで下ろす。太陽が高く昇る前に午前中の作業を終え昼食。長めの休憩をとり、午後の作業に入る…といった具合である。1日の平均労働時間は8時間ほど。夕食後は、学生司会による礼拝、その日の活動の振り返り、創立者の植林活動への思いを著作物で読み、環境や林業に関する勉学を終え、日付の変わる前に就寝する、といった具合である。
毎日規則正しい時間に起床・就寝し、白米は普段の3倍を平らげ、炎天下の中全力で労働に没頭する。夜は礼拝で心を落ち着かせ、座学で活動に対する知識を深める。思いっきり労働をすることにはある種の清々しさがある。労働の対価として賃金などは出ないが、学生は皆名栗での活動に、労働の本質的な喜びを見出しているように見えた。貴重な学びの場が設けられていることに感謝したい。
百年の里山づくりを目指し「名栗柏木フィールド活動協定」を締結
春休み中の名栗での活動の様子
文・写真:岩重淳之介(学部4年)