最高学部生1・3年生と初等部5・6年生が、12月5日の合同礼拝で、アラン・ポート作曲/町田治編曲の「平和の祈り」を合唱しました。合同礼拝で合唱が演奏されるのも、学部生が初等部の子どもたちと合唱するのも、これが初めてです。指揮は永野馨先生、伴奏は関口美彩江先生でした。

前列に初等部生・後列に学部生・聞き入る中高生
「平和の祈り」は、アッシジの聖フランシスコの祈りをもとにした歌詞をもつ合唱曲で、これが合同礼拝で歌われたのは、学園の礼拝のなかに特別賛美を入れたいという音楽の先生方の想いがあったからです。
聖書には、「神は賛美を住まいとされる方」という表現があり、礼拝と歌とはもともと一体のものであったとのこと。礼拝の中の歌はもともと神への賛美なのであり、歌は祈り。ふだん歌うときもそういうことを心のどこかにとめてほしい、という想いが、今回の合唱にはこめられています。
学部生と初等部生の合唱となったのは、この曲の歌詞が美しく、子どもの素直な純粋な声にとてもよく合うことに加え、大聖堂の聖歌隊が奏でる讃美の響きを体験してもらいたかったからです。
当日は一部でざわついたところもありましたが、その趣旨どおり、当日は子どもたちのひたむきに歌う姿、高く澄んだ声に、多くの人が魅きつけられました。それに大人の声が加わると、演奏に重さと深みが出ます。「平和のために私を用いてください」という歌詞が、この歌声にのって切実に響きました。音楽でなければ表現できないものを感じられたひと時でした。
文:室永優子(学部教員)
写真:遠藤敏喜(学部教員)