自主研究「RO農法への挑戦」活動報告:那須農場での和綿栽培【成長を見守る中での課題】/学生生活・学外活動 - 自由学園 最高学部(大学部)/ 最先端の大学教育

自主研究「RO農法への挑戦」活動報告:那須農場での和綿栽培【成長を見守る中での課題】/学生生活・学外活動 - 最先端の大学教育【自由学園 最高学部(大学部)】

学生生活・学外活動

自主研究「RO農法への挑戦」活動報告:那須農場での和綿栽培【成長を見守る中での課題】

2022年7月2日

6月25日(土)26日(日)に最高学部生5名と女子部高等科3名、教員2名の計10名でリジェネラティブオーガニック農法(RO農法)の活動を進めるために那須農場へ行きました。初動メンバーは今回で4回目の那須農場になりました。
今回は本活動のきっかけづくりにもなった木村純平さんが那須農場に初めて見学に来てくださいました。
今回は5つのことを那須農場で行いました。

① 畑の発芽の確認

那須農場には、和綿栽培として使用する10メートル×10メートルの畑が2つあり、1つは畝がある畑A、もう1つは畝がない平らな畑Bです。それぞれの発芽状態は次のようになりました。

畑A:播種箇所288中、発芽箇所86   発芽率約30%

畑B:播種箇所360中、発芽箇所125 発芽率約35%

それぞれ約30%台の発芽で、南沢キャンパスのRO農法の畑では約51%の発芽率だったので少し発芽の数が少ないなと感じました。なぜ発芽が少ないのか今後の課題のひとつになりました。

② 畑内と畑周辺の草刈り

RO農法では雑草の除草時に根を掘り出してはいけないので、鎌やエンジンカッターを使ってなるべく低くなるように草を刈りました。刈った草の使い方を木村さんに教えていただいて、畑にマルチングとして土に覆い被さるように敷き詰めました。

 

木村さんに刈った草の使い方を教わっている様子

 

刈った草は発芽した和綿のまわりに敷きます

 

畑の周囲で刈った草も運んで敷き詰めます

 

③ 種の追い蒔き・間引き

発芽率が悪かった事から、発芽していない所にもう一度種を蒔く追い蒔きをすることにしました。1箇所に2粒の種を蒔きました。あわせて、間引きも行いました。最初の種まき時には、それぞれ3粒ずつの種を蒔いたため一箇所から多くて3つの芽が出ていたので元気な芽をひとつ残して間引きしました。間引きした芽は少しの可能性を信じ、芽生えていない場所の追い蒔きにあわせて移植しました。

 

元気に発芽している様子。発芽しているところに目印の割り箸を立てました

 

追い蒔きと間引きをしている様子

 

④ 畑に含まれる炭素量の調査

田無にある東京大学(農学生命科学研究科)から、深さ30センチまでの土を採取できるライナー採土器をお借りすることができ、実際に各畑5箇所ずつ採取を行いました。採取した土は、現在検査機関で炭素量を測定していただいています。

 

採土器を深さ30センチまでハンマーで打ち込む

 

採土器から、中に入っている円筒チューブを取り出す

 

取り出した円筒チューブを10センチ幅に切り出して、それぞれの深さの炭素量の測定に回します

 

⑤ 畑の土壌密度の調査

土壌検査機関の(株)クレアテラから、土壌の密度(仮比重)を調べるための採取機材をお借りして調査のためのサンプルを採取しました。それぞれの畑から深さ30センチまでの深さを10センチごとに分けて体積100mlのサンプルを採取しました。採取したサンプルは現在検査機関で、土壌の密度を測定していただいています。

 

採取したサンプル

 

これまでずっと進んできましたが、大きな壁が現れたような気がしました。なぜ発芽しなかったのか。みんなで頭を抱えました。ですが、今年一年だけの計画ではないのでこの結果を真摯に受け止めた上で今後の活動の糧となるようにしていこうと思います。これまで、畑の準備から種を蒔き発芽も確認しました。もし、今後綿を収穫することができたのなら、その綿を使った布製品を作れたら良いなと考えています。これからも精一杯頑張ります。

 

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文:森 元斗(最高学部1年)・写真:最高学部1年

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