百年の里山づくりを目指し「名栗柏木フィールド活動協定」を締結/お知らせ - 自由学園 最高学部(大学部)/ 最先端の大学教育

百年の里山づくりを目指し「名栗柏木フィールド活動協定」を締結/お知らせ - 最先端の大学教育【自由学園 最高学部(大学部)】

お知らせ

百年の里山づくりを目指し「名栗柏木フィールド活動協定」を締結

2015年6月11日

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柏木正之氏(左)と矢野恭弘学園長(右)

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調印式に臨んだ(一社)名栗すこやか村と自由学園の関係者一同

 

 

 

 

 

 

自由学園では、1950年より男子部高等科生が代々受け継いで、名栗(埼玉県)で植林活動をしてきました。このたび柏木正之氏(自由学園男子部19回生)より、名栗地区との交流も含めた新たな植林・育林活動の機会をご提案いただき、2015年6月9日に(一社)名栗すこやか村と自由学園は活動協定書を取り交わしました。
「名栗柏木フィールド活動」が、男子部(中等科・高等科)のみならず、幼児生活団幼稚園から最高学部(大学部)まで、全学的な学びの機会となることを願い、これから活動を推進していきます。
調印式の様子を始め、詳しくは以下をお読みください。

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名栗柏木フィールド活動協定の調印 -次の百年に向けて-

学園の植林・育林の歴史に新たな一頁が加わりました。65年前の名栗植林地(正丸峠)から始まり、海山(三重県)、黒羽(栃木県)と展開してまいりましたが、種々の理由から現在の活動は名栗植林地のみになってしまいました。そのようなおり、学園OBの柏木正之さんから、ご自身が代表理事を務める(一社)名栗すこやか村の進める針葉樹人工林の針広混交林化による明るい里山景観づくりに協力してくれるならば、名栗地区の中心を走る街道に面した4か所の山(約19ha)を提供してもよいというお話を頂き、このたび活動協定書の調印となりました。

50年~100年をかける針広混交林化に向けての作業は、今年の1月に試行という形で始まってNHKでも報道されましたが(3月30日)、今回の協定調印により本格的なスタートを切ることになります。中心となる山づくりは最高学部が行いますが、学園としては、すこやか村や地元地域等と連携することによりその実現に関与しつつ、幼稚園から大学部の幼児・児童・生徒・学生それぞれの年代に合わせた、地域への社会貢献活動を含む教育活動を実践する場として活用させて頂くことを考えています。

調印式は、6月9日に名栗の大松閣で行われ、柏木さんのご挨拶、矢野学園長の挨拶の後、調印が行われました。柏木さんからは、「若い人たちが絶えずこの地域に入り、特に山で仕事をする姿が地域の人たちに見えることが、これまでの生活基盤や歴史を維持しながらの地域の持続に大きな役割を果たすし、幼児から卒業生の幅広い学園人脈によって、交流人口が増えることにもつながる、それらのことが学園の教育にもいくらかでもお役に立てれば嬉しい」というお言葉とともに、そのようなことを理解し大事にしてくれる学園ならば安心して山を預けたり、古民家をお貸ししたりして、フィールドとして活用していただけるとのお言葉を頂きました。

学園長からは、協定のお礼とともに、時間をかけて木を育てることは人を育てることにつながるという創立者の考えが、人間として実力のつく教育をしたいという創立以来の考えの大きな柱の一つになっていること、これまでの針葉樹人工林の育林の経験も活かして、より自然を活かした里山づくりを行うことへの抱負が述べられました。また、男子部の名栗労働の中で行われている地元名栗小学校への学習林体験活動(2003年より毎年秋)の紹介と、初等部と木造校舎どうしの交流ができればよいこと、生活団から最高学部まで幅広い活用が期待されることなどが述べられました。
調印式にご出席の名栗すこやか村の理事の方々も学園に縁の深い方々で、特に平沼さんのご先代は65年前、村有の山を植林地として提供して下さるきっかけを作ってくださった方ですが、小学生のおりに、ご自宅の2階から学園生や宮嶋眞一郎先生が歩いて植林地に向かわれるのを覚えていらっしゃるとのことでした。また、来年は名栗が拠点となった武州世直し一揆150周年とのことで、当時東久留米で亡くなった名栗の方々のため名栗の方角に小さな祠を作って、当時から現在もずっと水を手向けていらっしゃる村野家(東久留米市柳窪、国登録有形文化財)をまた訪問されるとのお話もありました。

百年の里山づくりを目指して行きますが、山づくりのように時間をかけた人と人のつながりの大切さ、素晴らしさを感じることのできた貴重なひとときでした。
(最高学部 杉原弘恭)

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