家政学の学会での研究発表/研究・実習 - 自由学園 最高学部(大学部)/ 最先端の大学教育

家政学の学会での研究発表/研究・実習 - 最先端の大学教育【自由学園 最高学部(大学部)】

研究・実習

家政学の学会での研究発表

2018年5月29日

日本女子大で開催された日本家政学会第70回大会で,5月27日(日)に2本の研究発表をしてきました.

家政学の学会での研究発表

ポスター発表で質問に答える学生

ひとつは農芸グループによるポスター発表です.私と農芸の先生と学生の連名の発表です.1955年に端を発する農芸グループの活動をベースに,自由学園の農園芸の学びの現状を,学生とともに整理し,その傾向や意義を考察して発表しました.この学会では,昨年度も自由学園における食の学びについて発表し,前回は,育てて,調理して,味わって,処分するという食の循環にフォーカスして話しましたが,今回はその続きとして,とくに育てるところ,野菜と花の栽培の部分をフィーチャーしました.

当日は部活動の試合などが重なり,会場には2人の学生しか集まることができませんでしたが,やっぱり学生が発表した方が実感がこもってよいと感じました.何より話がリアルです.想定よりも多くの先生方が関心をもっておられるようで,ポスターの前にはほとんどとぎれなくどなたかが話を聞きに来てくださいました.中には自由学園の他の話題について聞きにいらした方や,友の会をはじめ関係の方々もいらっしゃいました.

もう1本は,私と資料室の先生と卒業生との連名での口頭発表で,こちらは私が発表しました.1914年4月から1943年12まで婦人之友社によって発行された子ども向け月刊絵雑誌『子供之友』を代表するシリーズ連載もの絵ばなし「甲子・上太郎」の,毎号ごとに変わるテーマの変遷について,統計解析した結果を話しました.おそらく全号に亘って解析したのは私たちが初ではないかと思います.挿絵の芸術性についてはとくに有名で,児童文学や歴史・民俗的観点での研究も多数ありますが 教育学・家政学的にも興味深い内容で,もっと研究されるべきだと思っています.こちらも卒業生が1・2年次に行った図書・記録グループでの活動がベースとなった研究です.

このように自由学園には学術研究の種がたくさんあります.今後も学生とともに掘り起こしていこうと思います.

文・写真:遠藤敏喜(学部教員)

カテゴリー

月別アーカイブ