領域横断研究・フィールドサイエンスゼミでは、所属する学生のテーマに沿ったフィールドワークを随時実施していてる。最近では、3年生の研究テーマである「小麦とグルテン」、「自由学園テニスコートの地盤環境改善」に関連した見学・研修をそれぞれ校外で実施した。
「小麦」については、現在栽培実験を行なっている学園内の圃場(畑)で使用する籾殻を入手するため、栃木県方面へと出掛けた。籾殻は自由学園那須農場の水田管理でお世話になっている稲作農家の方からわけていただくことができ、袋詰めして学園へと持ち帰った。また栃木県は麦類の生産が盛んな地域でもあり、この機会を利用して那須農場と栃木県農業試験場(宇都宮)の圃場に作付けされた麦類の様子も観察した。その他に栃木の小麦文化ともいえる、佐野ラーメンや宇都宮餃子も味わった。
「地盤」については、地盤中の地下水排水対策を実施している現場を見ることを目的に、埼玉県・群馬県方面へと出掛けた。国が大規模な地すべり対策事業の一環で、地下水排水施設の整備を進めている群馬県藤岡町の譲原地区を訪問した。国土交通省の方に譲原防災センター(資料館)で概要を説明していただいた後、普段は入ることができない地下の集水井戸や集水トンネル内部を案内していただいた。また神流川・荒川の扇状地や下久保ダムと三波石峡等、周辺地域の巡検も行なった。その他に長瀞町の埼玉県立自然の博物館と、寄居町の埼玉県立川の博物館も訪問し見聞を深めた。特に川の博物館の荒川流域の立体模型、鉄砲堰の実演は圧巻であった。
今後、これらのフィールドワークで得られた知見も活かしながら、それぞれの研究を本格化していく予定である。
籾殻を袋詰めする
那須農場の圃場を観察する
農業試験場の圃場前にて
集水トンネルの内部を見学
集水井戸の内部にて
下久保ダム前にて
文・写真:吉川 慎平(学部教員)