最高学部二年課程卒業勉強・四年課程卒業研究報告会が2月22日(土)の10時30分から16時まで自由学園女子部講堂*で催された。新型コロナウイルスへの対策として常時換気をしながら執り行った。本報告会は、自由学園での学びの集大成と言える卒業研究の成果を、卒業年次生が発表する場である。最高学部の学生とその保護者、教職員と研究でお世話になった方々、そして女子部の生徒も聞きに来てくださり、のべ200人の来場者数であった。昼食時には4年生がテーブルマスターとしてお客様をもてなした。そのためテーブルのあちこちで研究にまつわる議論を交わす姿が見受けられた。
今年度の4年生は4つのゼミナールに分かれて研究を進めてきた。3年次にゼミナールに所属し、約1年かけて研究の手法や作法を学びつつ、卒業研究のテーマを探った。さらに、1年かけて研究を進めてきた。今回の報告会に至るまでには、学内で5月、10月、12月と3回の進捗報告会を行い、お互いに他社の研究にも関心を持ちつつ、それぞれの研究を深めてきた。
今年度の研究の特徴として個人研究が多かったように思う。したがってテーマも多彩で、幅広い学問領域から成っていた。例えばフィールドサイエンスゼミに所属する者は、テニス部であったこともあり、学内のテニスコートの改良を目的に地盤環境を調査した。データサイエンスゼミの者は学内ポータルアプリを開発したり、バスケットボールの者は試合解析を行った。ヒューマンサイエンスの者は、手話言語やセクシャルマイノリティについて研究した。その他、1・2年次に習った農芸に端を発する研究や3年次に取得したベビーマッサージの資格を生かす研究などもあった。
それぞれ取り組んだ研究は違ったが、異なった角度からの意見を出して議論し、ゼミやクラスで共に研究を進めてきた感がある。自由学園の学びの「まとめ」として、「いのち」を燃やして研究に取り組んだと自信をもって言える。使命とは命を使うと書くがその片鱗を垣間見ることができた。四年課程は1月末に、二年課程は2月中旬に全員が無事論文を提出し、本報告会を開催できたことに安堵と感謝を覚える。私たちの卒業研究は、私たちだけの力で成し得たわけではない。協力してくださった学生・生徒、支えてくださった家族、先生方に、この場をお借りして感謝申し上げる。
文:座波佑爾(学部4年・卒業勉強・卒業研究報告会リーダー)
写真:吉川慎平(学部教師)
* 例年、報告会は記念講堂で開催されるが、今年度は記念講堂が改修工事のため女子部講堂で開催された。