11月27日(土)に早稲田大学にて早稲田大学数学教育学会の学会発表(オンライン配信もあり)を行いました。
学会では講演会の演者として招かれ、60分の講演と30分のディスカッションを行いました。学会役員の皆さまが自由学園の教育にも興味があるとのことで、講演タイトルは「リベラルアーツとデータサイエンスと自由学園の数学」としました。
対象者は、研究や教育に関する専門家の皆さまでしたので、次の点を強調しました。
・自由学園は本学の高等科修了を入学要件とする大学部「最高学部」を持っている。
・「最高学部」はリベラルアーツ教育を主とする大学相当教育を行っているが、このリベラルアーツはどの分野でも専門家になることができる素養を身につける教育である。多方面で卒業生が専門家として活躍していることは「自由学園100人の卒業生+」(https://www.jiyu.ac.jp/jgs100/)で分かる。
・遠藤は1999年に赴任したが、それ以降おおよそ600名の卒業生のうち35名が大学院へ進学し、うち12名が遠藤の知っている範囲内であるが博士の学位を取得した。
以下は、数学の話になりますが、自由学園の数学として次の点を紹介しました。
・リベラルアーツ教育の先に領域横断研究「データサイエンス」ゼミで、数学を専門的かつ実践的に学ぶことができる。遠藤は1999年から現在に至るまで教育型研究の成果として、学生と共著で、専門誌に8本の論文を発表し(うち4本は英文)、学会や研究集会で36本の口頭発表を行った(うち5本は海外での国際発表)。
・数多くの著名な数学者が本学の教育に尽力されている。例えば最高学部開学時には彌永昌吉先生が数学を担当しておられ、フィールズ賞受賞者のエミール・アルチン先生が自由学園を訪れて全生徒へ講演を行っている。
・日本では,2017年以降あちこちの大学に「データサイエンス」学部が生まれたが、本学では慶應義塾大学とのつながりから、2008年には授業に「データサイエンス」という名前を使用している。
今回の発表のために、10年ぶりに母校の早稲田大学を訪れましたが、今回お招きいただいて講演の機会をえられて本当によかったと思います。今後は積極的に学会員の皆さまと交流をはかり、次回は学部生も連れていければと考えています。
文:遠藤敏喜(学部教員)
写真:学校紹介パンフレットより