最高学部生が戦時下の自由学園生徒が書いた記録等をもとに冊子を刊行しました/研究・実習 - 自由学園 最高学部(大学部)/ 最先端の大学教育

最高学部生が戦時下の自由学園生徒が書いた記録等をもとに冊子を刊行しました/研究・実習 - 最先端の大学教育【自由学園 最高学部(大学部)】

研究・実習

最高学部生が戦時下の自由学園生徒が書いた記録等をもとに冊子を刊行しました

2022年10月15日

最高学部1年生の山澤遥乃さん、山澤綾乃さん(双子の姉妹)が自由学園出版局より、『川田文子さんのこと』(67頁、漫画、エッセー、当時の資料の書き起こしと読解)を刊行しました。
これは、2人が昨年度女子部高等科3年生在学時の「探求」の学習でまとめた「川田文子さんのこと」を、主に学内での平和学習の参考としていただくため、あらたに編集したものです。

刊行された冊子

  

編集にあたっては、今年度自由学園最高学部1年に進学した二人を中心に、美術科の河原弘太郎先生がブックデザイン、レイアウト等を担当してくださり、資料室が実務等をサポート、また、川田文子様の姪にあたる早川喜久子様、立命館大学国際平和ミュージアム様のお力添えを得て、完成させることができました。
昨年度、山澤さんたちをご指導いただいた先生方には大変温かなお支えをいただき、お礼申し上げます。
最高学部の図書・記録資料グループの学生が、心をこめて製本の最後の手作業を行いました。

編集の打ち合わせ

  

川田文子さんは、自由学園女子部23回生(1939~1944年在学)で、1944年度に学徒動員で中島飛行機武蔵製作所(現武蔵野市に所在)に勤務中、同年12月3日の空襲で命を落としました。自由学園図書館横の芝生の一角に、学徒動員中や卒業後に亡くなられた川田文子さんを含む5名のお名前を刻んだ慰霊碑があります。

川田さんとちょうど同年代の山澤さん姉妹は、自分たちの学校の歴史、そこに生きた一人の方の記録・記憶に向きあい、自分たちの方法・表現を模索し、それに応える努力をしました。大人も子どもも共にこうした取り組みに学び、平和をつくりだす一人として行動していきたいと強く願っております。その思いが、2人が多くの時間と労力をかけこの冊子を制作する強い原動力となったと感じています。

  

文:村上 民(自由学園資料室) 写真:奈良忠寿(最高学部教員)

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