2020年12月30日から運用を開始した、自由学園南沢キャンパス地上(女子部)露場が運用開始2周年を迎えました。
整備の経緯等については『自由学園年報 第 25 号(2021)』の「産学連携による南沢キャンパスへの高精度気象観測システムの導入」をご覧ください。

地上露場の整備に際しては、中等科3年生の気象の勉強に使われる百葉箱や雨量ます等はそのままにして、自動観測機器を設置しました。よって以前と外見上はほとんど変化がありませんが、産学連携協定を締結したフィールドプロ社の協力のもと、高精度の自動観測機器を、最高学部の水文・気象観測室の前身となる教員・学生有志チームで、2020年度の冬休みをかけて取り付けました。
現在は、気温、相対湿度、雨量、地温1(-10cm)、地温2(-50cm)、地温3(-100cm)、土壌水分(-10cm)、土壌EC(-10cm)の8要素を10分毎に観測しています。最高学部棟屋上露場と異なり、「土壌」に関する項目が複数あることが特徴です。この内、雨量を測る雨量計は、気象庁検定を取得しており、露場は管轄の東京管区気象台に「自由学園南沢キャンパス地上露場」として設置届出を行なっており、教育・研究はもとより防災目的にも供することができる精度を担保しています。管理は、日常的な芝生の手入れ、定期的な百葉箱の塗装等は女子部・男子部の生徒が行い、自動観測機器は水文・気象観測室の学生がメンテナンスしています。
また現在の地上露場は、オンライン化されていませんが、将来的には屋上露場のようにオンライン化し、常時モニタリングできるようにしていく計画です。
一連の観測成果については、次号より最高学部の研究誌である『生活大学研究』に資料として掲載していく予定です。
これらのデータが全学の学びに活かされるよう働きかけて行きます。
● 2023年1月1日・元旦の校内の様子




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『自由学園年報 第 25 号(2021)』「産学連携による南沢キャンパスへの高精度気象観測システムの導入」
文・写真:吉川 慎平(最高学部教員・環境文化創造センター長)