7月10日(木)、中等部1年生は「TLP」の授業(「キリストを知る」と「自由学園を知る」の2領域で構成されているカリキュラム)の一環で、自由学園創立時の校舎である明日館の見学を行いました。この日に合わせ、最高学部のフィールドサイエンスゼミが制作に関わった「自由学園キャンパスカード」の「明日館(目白)」バージョンを発行し、初めて配布を行いました。

「自由学園キャンパスカード」は、在校生向けに自由学園のキャンパス・フィールドを詳しく知ってもらうきっかけとなるよう、2022年から環境文化創造センターが発行しているものです。これまでに5種類を用意しており、デザインや配布のルールは、国土交通省等が発行する「ダムカード」を踏襲し、校外学習等で実際に現地を訪問すると一人一枚もらえるということにしています。表面には写真、背面にはキャンパスに関する基本情報(所在地、面積、標高、流域、地質等)のほか、歴史や周辺情報、豆知識などをコンパクトにまとめており、各キャンパス・フィールドのミニ版パンフレットと位置付けられます。
当初は全て環境文化創造センターで制作していましたが、2024年に発行した「南沢キャンパス」のカードから最高学部のフィールドサイエンスゼミの学生が、「価値の認知」というゼミのテーマ学習の一例として、制作や配布に関わっています。今回配布を開始した「明日館(目白)」についても、背面に掲載する情報についてゼミのメンバーで情報を出し合い、取捨選択したものをベースにしています。

当日は、制作・配布を担当した4年生の丸原歩さんと芳原爽さんが明日館に出向き、中等部1年生に向けて、最高学部のゼミの紹介とカードの趣旨について説明し、最後に在学中に自由学園のキャンパス・フィールドとその周辺地域にも関心を持ち、様々な機会を捉えて訪問してほしいというメッセージを伝えました。カードを受け取った1年生からは歓声も上がり、明日館見学のお土産になったと喜んでもらうことができました。今後、訪問する在校生にも継続して配布をしていく予定です。

カードをきっかけに、創立から100年の間に用意された自由学園のキャンパス・フィールドとその周辺地域の歴史や特徴を知ると共に、時代に合った新しい活用が、生徒・学生の中から萌芽していくことを期待しています。
文・写真:吉川 慎平(最高学部教員・環境文化創造センター長)