2025年7月7日(月)、最高学部棟にて「繭の糸取りワークショップ」を開催しました。学部生13名が訪れ、実際に手を動かしながら繭の茹で方・糸のとり方を学びました。

この企画は、フィールドサイエンスゼミの4年松島の卒業研究に関連するものです。私は「現在も残る養蚕・カイコには、どのような魅力・可能性があるか」という疑問を大きな軸として研究を進めています。文献調査はもちろん、養蚕農家への訪問や研究者のもとでの学習、カイコの生態調査などを行ってきました。
その過程で「より多くの人に、養蚕・カイコについて知ってほしい」と思いが芽生え、本会を開催するに至りました。使用したのは明治時代に作られた古式の上州座繰り機、繭は今春に学園の桑で育てたカイコのものです。7つの繭から取れる糸を撚り合わせて巻き取っています。

参加者からは「虫が苦手だったが、糸を取ることは初めてで楽しかった」「座繰り機の精巧な仕組みに驚いた」「何本もの糸を撚り合わせて1本にしていることを初めて知った」等、実際に体験を行ったことで興味が湧いたという声が多数聞かれました。


ワークショップは、2学期以降の定期開催も検討しています。今後のイベントや自身の研究を通して、今後より多くの人が養蚕業・カイコに触れられることを祈っています。
文・写真:松島 希実(最高学部4年)・写真:吉川 慎平(最高学部教員・環境文化創造センター長)