9月27日(土)、2年生が「飯能・名栗フィールド活動」を行いました。参加者は、2年生13名と、TAとしてフィールドサイエンスゼミの4年生1名、引率教員3名の17名です。
昨年、1年次のプログラムは「学園のフィールドを知ること」を目的として、埼玉県飯能市の正丸峠に位置する自由学園名栗植林地を訪れ、林内に敷設された森林作業道を歩きながら周辺の様子を観察した後、上名栗にある男子部19回生の柏木正之さん(元名栗村村長、大松閣代表取締役会長)が代表を務める(一社)名栗すこやか村が管理する古民家(新名栗フィールド)で、柏木さんから名栗地域の現状と課題などについてのお話を伺いました。
今回、2年次のプログラムは「より広く名栗地域を知ること」を目的に、植林地ではなく下名栗・上名栗地区での活動を中心とした内容となっています。また秋期から始まる4年課程2年生の必修講義「フィールド研究基礎」につながる学びも含まれます。

当日は8時45分にノーラ名栗・さわらびの湯のバス停で集合、9時からのカヌー体験に間に合うように学園車で名栗カヌー工房に移動しました。この工房は、古くから林業を生業としてきた名栗地域の木材(西川材)を利用して、名栗湖(有間ダム)を観光資源として活用したいという願いから設立されたという経緯があります。カナディアンカヌー体験の他にも自分の手でカヌーや木製品の制作する体験などもすることができます。ライフジャケットを着用してから桟橋に移動して、諸注意とカヌーの漕ぎ方を教えていただいき、2人1組でカヌーに乗船しました。このカヌー体験では、ただアクティビティとして楽しむだけではなく2人で相談しながらダム湖の5地点で水温・気温を測定し、記録するという課題(自然の中からデータを取り出すというテーマ)を同時に行いました。後日、場所による気温・温度の違いなどを具体的に見える化して共有する予定です。 約1時間の間に、次第に上手に漕げるようになり笑顔でカヌー体験も楽しんでいました。



カヌー体験の後、名栗湖の上流部分に移動してそこから徒歩で湖畔を歩き、「フィールド研究基礎」担当で(元)ダムマイスターでもある吉川慎平先生から、有間ダムの特徴や都市を支えるインフラについての解説を伺いました。記念の「ダムカード」もいただくことができました。


次に入間川の河原に移動し、流量測定を行いました。ここでは、 TA学生と水文・気象観測室の2年生が川幅、水深、流速の測定デモを行いました。これらの数値から計算で流量を求めます。デモの前に、全員から予想する流量値を言ってもらい、後ほど計算値との照合をおこないました。

その後、古民家に移動してお弁当を頂いた後、午前中の計測結果をまとめ、最後に計測した流量についてTA学生から話をしてもらい、二度の活動を振り返るまとめの時間を持ち、13:30頃解散しました。解散後も自主的に地域を探索した学生もいました。なお、現地への往復は地域交通の存続を考え公共交通機関を利用しました。




学生からは「同じダム(湖)の上でも、上流と下流では気温や水温に違いがあることが興味深かった」「ダムと一口にいっても、それぞれに貯水や放流の際の工夫などがあることを学べた」「カヌーに乗って楽しみながら、秋期の授業の準備ができて良かった」「実際に現地に行かなければ知る機会がなかったと思うと、行くことができて良かったし、とても楽しかった」「帰りに温泉までの道を歩いた。その後の温泉が良かった。自分たちが触れたのは名栗の一部分であったが、満喫して、地元にお金を落とす貢献もできたと思う」などの感想がありました。
学部1、2年次に行う飯能・名栗フィールドを活かしたプログラムも、次第に充実した内容になってきました。ご協力いただいた皆さまに感謝いたします。なお、今年は活動前の2年生の組の時間に、4年生の伊藤さんから話をしてもらう時間をもちました。詳しくはこちらをご覧ください。
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文・写真:小田 幸子(最高学部教員・環境文化創造センター次長)・写真:吉川 慎平(最高学部教員・環境文化創造センター長)・写真:丸原 歩(最高学部4年)