「新事業」をめぐってディベート/教養・専門 - 自由学園 最高学部(大学部)/ 最先端の大学教育

「新事業」をめぐってディベート/教養・専門 - 最先端の大学教育【自由学園 最高学部(大学部)】

教養・専門

「新事業」をめぐってディベート

2017年2月15日

「実践コミュニケーション論」(1年生必修)では、1年間を通して、他者とのコミュニケーションやプレゼンテーションについて実践的な取り組みを行っています。単に、上手なプレゼンテーションや他人と話をするスキルだけではなく、たとえば文章を読むことが生来苦手だったり、対人関係を構築することが極めて困難な人への理解を深めることもしながら、そのうえでコミュニケーションのあり方を考える講義です。

今年度の最後のテーマとして、クラスを2グループに分けて、提示された課題を題材に、ディベートを行いました。今年の課題は「自由学園の新事業を提案してください」というものです。当日、提案されたのは、「自然環境を活かした新ビジネス」と「自由学園デンマーク校の設置」でした。

「自然環境を活かした新ビジネス」は、1年生が取り組んでいる実習「生活経営研究実習」で副産物を生み出すことと学園の自然環境を利用したエネルギーを組み合わせて、地域に販路を開拓するというもの。一方、「自由学園デンマーク校の設置」は、高等科や最高学部と交流の深いデンマークに、現地の特徴的な教育制度を利用した学校を創るというもの。長い交流の伝統を一歩進めて、実際に学校を創ってしまおうという提案。

提案のプレゼンの後は、ディベートの手順に沿って反駁や再主張など活発なやり取りが行われました。特に「相手の提案よりも優れている点は何か」というやり取りは、あえて相手側の不備を指摘し有利に議論を展開することに苦心していましたが、鋭い質問や批判をどう受けて
自分たちの主張に取り込むかをグループで相談する姿が見られました。

「新事業」をめぐってディベート

ディベート中の1年生

「新事業」をめぐってディベート

グループで相談

判定者である先生方からは、自分たちの普段の取り組みの再発見から横のつながりに展開させたことや、まったく新しいプランを出すことで新しい展開を目指したことへの評価がありました。また、学生同士のやり取りでは、予算や法律、失敗事例など実現性や持続可能性を考えるうえで欠落している視点についての指摘も出ました。

この講義を通じて、様々な形のコミュニケーションの形があること、スキルだけにとらわれず充実した中身が大切であること、デジタル時代における「対話」の意味を学んでもらえるとよいと思います。

文・写真 咲花昭嗣(学部教員)

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