2014年度最高学部卒業研究報告会を開催しました/学生生活・学外活動 - 自由学園 最高学部(大学部)/ 最先端の大学教育

2014年度最高学部卒業研究報告会を開催しました/学生生活・学外活動 - 最先端の大学教育【自由学園 最高学部(大学部)】

学生生活・学外活動

2014年度最高学部卒業研究報告会を開催しました

2015年3月11日

卒業研究報告会2014ポスター

作成:恩田将樹(学部4年)

毎年恒例の卒業研究報告会を3月7日(土)に自由学園記念講堂で開催し,在校生・父母および学校関係者に公開しました.

この報告会は,4年課程・2年課程の卒業年次生が1年間かけて取り組んだ卒業研究・卒業勉強の成果を世の中に発信するもので,最高学部開学以来50年以上続いています.

今年の報告は4年課程が28人で18グループ,2年課程が8人で1グループの計19ありました.そのため,朝9時から夕方5時半までの長丁場となりました.しかし,自由学園最高学部のリベラル・アーツの広さを実感させる,多彩な報告でした.例えば,現代の子育てをとりまく環境を睡眠時間・父親の育児・子どもの空間・母親の育児不安という4 つの視点から考察する研究,ナチスによるユダヤ人大量虐殺ホロコーストとイスラエル建国前後から現在まで続くパレスチナ紛争を切口として8 名のユダヤ系思想家・政治家・歴史家の思想を比較する研究,自由学園の教育に構造方程式モデリングによる客観的評価を与えて他大学と比較する研究,自由学園内にある芝や雑草から粉塵爆発を起こしてエネルギーに変えようという研究,日本と自由学園における消費組合活動をマーケティングのフレームワークを使って調査して販売活動を実践する研究,自由学園で歌い継がれている歌を調査するとともに歌が団体に与える影響を考察する研究, などがありました.

2014年度最高学部卒業研究報告会

報告の様子

2014年度最高学部卒業研究報告会

質疑応答と講評の様子

4年生有志によるディスカッションでは,学生たちがそれぞれの卒業研究の背景や動機にある自由学園での体験を語り,それが研究を通してどのような思いになったのかを語りました.1本の大きな樹木の絵を用いて,その土・根・幹・枝のそれぞれにあたるものは何なのかを示した図が印象的でした.

2014年度最高学部卒業研究報告会

ディスカッションの様子

最後に学園長矢野恭弘先生から講評をいただきました.19もグループがあって心配しておられたようでしたが,ディスカッションの際に,ある学生が語った「自由学園では友人の学びが自分の学びになる」という発言を受けて,ご自身が留学されておられたオックスフォード大学も,寮での専門の異なる学生同士のコミュニケーションが大きな学びであったと語られました.最後は,実学と協同を大切にしてほしいと締めくくられました.

2014年度最高学部卒業研究報告会

学園長による講評の様子

今年は,報告者が全員,氏名と研究タイトルを明記したネームプレートをぶらさげて,休憩時間や昼食時などにご来場の方々と自由に交流しました.また,アンケートでも,ご来場の皆様から好評なコメントを多くいただきました. 例えば,「司会のメリハリがきちんとしていて,多少時間がオーバーしたが気にならなかった」(卒業生),「女子部・男子部・学部の学びを通して,自由学園で学んだことを深め,それをふまえて学校に提案する内容が多く,力のある,充実した報告会だった」(父母),「すべての発表に言えると思うことは,これが大学での教育だということ.自分で感じ,自分でテーマを見つけ,自分で研究する姿があった」(講師)のようなご意見がありました.

この報告会は,プログラムの決定,招待状の発送,予稿集の作成などの準備から,当日の受付,会場,機材などの運営をすべて学生の手で行っています.卒業年次生の皆さん,お疲れ様でした.

当日はあいにくの雨でしたが,来場者数は480人でした.ご来場くださった皆様ありがとうございました.辛口のご批評もまた大歓迎です.多くのお励ましをありがとうございました.

文・写真:遠藤敏喜(学部教師)

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