4年生が数学綜合若手研究集会で研究成果を発表する/学生生活・学外活動 - 自由学園 最高学部(大学部)/ 最先端の大学教育

4年生が数学綜合若手研究集会で研究成果を発表する/学生生活・学外活動 - 最先端の大学教育【自由学園 最高学部(大学部)】

学生生活・学外活動

4年生が数学綜合若手研究集会で研究成果を発表する

2015年3月15日

「数理モデルとインターフェイス」ゼミの恩田将樹・宮加谷直哉は3月2日から5日まで北海道大学にて開催された「第11回数学総合若手研究集会~多分野間の交流による発展・発見を目指して~」にてポスター発表を行った。

発表題目は「パターン認識を用いたかたちと動きと数理解析」である。それぞれの卒業研究で得られた成果の一部を発表した。宮加谷は、サッカーの守備に着目し、計算幾何学の概念のボロノイ図を用いた戦術解析を示し、恩田は毛筆文字画像をデジタル処理して特徴を抽出する手法を示した。

数学総合若手研究集会

ポスター発表する宮加谷(右前)と恩田(右奥)

この研究集会は、これから数学界を担うと嘱望される人たちが発表するとてもレベルの高い学会であり、多くが大学院生であった。それゆえ、私たちのように数学を専門としない大学生が発表するのは少々気が引ける思いであった。しかし、いざポスターセッションが始まると多くの方が私たちの研究に興味を示して下さり、意見や感想を頂くことができた。例えば、ボロノイ図の概念をロボットサッカーのプログラム等に用いることができるのではないかといった意見や、毛筆文字を文字認識する際にOCR(光学文字認識)と併用して検討すると面白いなどのご意見をいただいた。

数式による定義や定理が記載されているポスターが多数を占める中、サッカーや習字といったものを対象に取り上げた私たちのポスターは会場で異彩を放っており、また自由学園という名前に興味を示され会話が弾んだ参加者の方もいた。説明も数を重ねるごとに板がつき、短い時間で発表の要旨を伝えることの重要性を再確認した。

今年度数理ゼミのメンバーは多くの学会に参加させていただき研究を発表してきた。具体的には10月の教育工学会全国大会、11月の位相幾何学的グラフ理論研究集会、2月の教育工学会の研究会、そして今回の数学総合若手研究集会である。私はこの学会を通して博識高い専門家からの意見の貴重さをひしひしと感じた。学内では、数回の卒業研究中間報告会を重ねるため、感覚的に暗黙の了解として受け入れられてしまった定義や言葉があったように感じる。しかし、このような学会に参加することで新鮮な意見や専門的な立場からの質問を受け、改めて自分の研究を見直し、その発展性を考えることができた。

数学総合若手研究集会

ゼミのメンバーで記念撮影

学会での発表は研究者の方から助言をいただける場に留まらず、同時に自由学園という学校を知っていただける良い機会でもある。最高学部の学生には学会発表の機会があれば挑戦し、最高学部の独特な研究を学外に発信することを願っている。

最後にこのような機会を提供していただき、また熱心にご指導して下さった先生方に、にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。

文:宮加谷直哉(学部4年)
写真:小池真秀(学部4年)ほか

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