スカイプを通して、アメリカでソーシャルワーカーとして活躍している日本人にインタビューする講義が、1年生必修の「日本語表現法」で、12/16(金)と1/13(金)の2回にわたって試みられた。
今回、インタビューされたのは、アメリカ、オハイオ州クリーブランドで地域開発ソーシャルワーカーとして活動している森川ひかりさん(写真)。差別、貧困、紛争、災害などによって苦しい状況にある人たちに対して、国境を越えた支援をされている。これまで、コソボからの難民、グアテマラのマヤの女性たちへのケア、ホンジュラスで活動する現地スタップへのトレーニングなどに取り組んでこられた。

スカイプでお話を伺った森川ひかりさん:カメラ写りが悪くなっていますが、とてもきれいな方です
インタビューは、教師から、あるいは学生からの質問に、森川さんが答えるという形で進んだ。「ソーシャルワークとは、どういうお仕事ですか」「今、スタッフの方たちが抱えている問題は何ですか」「ソーシャルワークの目的はなんですか」「なぜ、こういう仕事に就かれたのですか」などの質問に、森川さんは丁寧に答えていた。学生たちは、このインタビューを記事に書くという課題も持っていたので、一生懸命メモをとりながら(写真)、集中してお話を伺っていた。

インタビューのメモを取る学生
お仕事のなかで森川さんが心に残ったというエピソードは、紛争地域から避難してきた難民の支援をしていたときのこと。「眠れていますか」「食事は食べられていますか」とメンタルヘルスのアセスメントをするスタッフに対して、”被災者がおかしくなっている”という視点を感じたある難民が、「I’m not crazy!! War is crazy!!」(私は狂ってなんかいない!! 狂っているのは戦争だ!!)と叫んだという。難民だからこうだろう、という支援しようとする側の思い込みが覆された瞬間だった。
インタビューを終えた学生たちは、日本とアメリカ、その場で直接対話できる講義に新鮮さを感じたと話していた。
文・写真:室永優子(学部教員)