食・農の学びをアジア家政学の国際学会で発表する/学生生活・学外活動 - 自由学園 最高学部(大学部)/ 最先端の大学教育

食・農の学びをアジア家政学の国際学会で発表する/学生生活・学外活動 - 最先端の大学教育【自由学園 最高学部(大学部)】

学生生活・学外活動

食・農の学びをアジア家政学の国際学会で発表する

2017年8月12日

国立オリンピック記念青少年総合センターで開催されたアジア家政学会(Asian Regional Association for Home Economics)の第19回国際大会(19th ARAHE Biennial International Congress)にて,8月9日に学部生が口頭発表しました.発表演題は “Learning about the Food Cycle of Farming, Cooking, Savoring, and Discarding in a Campus Setting” で,これは5月に奈良女子大学で開催された日本家政学会第69回大会で発表した「キャンパスを舞台に,育てる,整える,味わう,始末する,の食の循環を学ぶ」を英語に翻訳したものです(家政学会での発表の様子はこちらをご覧ください).

食・農の学びをアジア家政学の国際学会で発表する

座長を務めてくださったフィリピン Ilocos Sur Polytechnic State College のAnna Marie D. BARROGA 先生を囲んで記念撮影

5月の発表では,多くのことを伝えようとして時間が足りなくなってしまったので,今回はその反省をふまえて,論点を厳選するとともに,英語での発表ということもありますが,原稿を入念に作成しました.発表練習も何度も繰り返しました.

食・農の学びをアジア家政学の国際学会で発表する

直前の点検

当日は,準備の甲斐あって,時間配分がうまくいきました.学生は交代で発表したのですが,とてもスムーズな流れでした.緊張している感じはもちろんありましたが,ゆったりした流ちょうな英語で発表しており,聴衆の反応もよかったです.自由学園の食の学びが,生産から廃棄までのプロセスで考えられていること,時間をかけて丁寧に行われていること,ただの授業ではなく生活教育の一環として行われていることがよく伝えられたと思います.また,生徒の感想から,技術・知識はもちろん,協力やいのちの大切さも学ばれていることも伝えました.Whole-School Approach towards ESD Practices や Edible SchoolYard など,社会からの評価も付け加えました.発表後には,座長から「グッドインスピレーションを与えてくれた」と褒められました.

食・農の学びをアジア家政学の国際学会で発表する

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発表の様子

今回の発表準備でもっとも時間をかけたのは英語です.食と農芸に関する用語と自由学園特有の言い回しの翻訳による解釈の違いを何度も吟味しました.英文法と発音に関しては,卒業生の小林詩音さん,ジャンセン美穂先生とご子息,矢野恭弘先生にそれぞれご指導いただきました.感謝申し上げます.

食・農の学びをアジア家政学の国際学会で発表する

質疑応答に答える学生

5月の発表も含めて,今回の2つの発表プロジェクトは,昨年度の1月から準備を開始しました.そもそもは高橋学園長が「自由学園の特色ある教育実践をもっと社会に発信したい」とおっしゃられたことから,遠藤が学生に呼びかけたところ,食の営みで共通点の多い2年生の生活経営研究実習・食グループと農芸グループがコラボレートしてみようということで始まりました.国際学会のために要旨を英文で作成し申請し,幸いにも発表が許されたため,本格的な準備を4月から毎週定期的に集まって進めました.幼児生活団から最高学部までの教育内容の概要を,学生が実際に経験したことを軸にして,文献を確認したり,教職員へ聞き取り調査をしたりして,ストーリー形式とルーブリック形式にまとめました.あわせて,学びがどのように生徒に浸透しているかを質問紙調査から汲み取ったり,社会がどのように自由学園を評価しているかを文献などから拾い上げました.農芸の千原先生,食の石川先生,稲原先生をはじめ,多くの皆さまから貴重なご助言・お励ましをいただきました.石川先生,仁科先生が応援にかけつけてくださいました.皆さまのお支えあっての学会発表であったと感謝申し上げます.

文:遠藤敏喜(学部教員)
写真:田中悠貴(学部2年)・石塚隆雅(学部2年)

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