東久留米市教育委員会主催の市民大学中期コースの講座、「源氏物語に見る日本の色の文化史」が10月18日、自由学園記念講堂で開催されました。
市民大学は、「学びを通して暮らしと文化を高めよう」という趣旨で毎年9月~12月にかけて週1回の講演・見学が合計10数回あり、そのうちの1回が、自由学園を会場に催されています。
今回の講演の「日本の色」とは植物染料によって染め上げた衣の色のこと。染色のそもそもが、染めることによって染料の植物の力を人間が身につけ、身を守ろうとしたことからだとか。その流れは源氏物語ひいては現代の生活にも息づいており、そうした「日本人の心の源流」の一端をたどろうという講演となりました。

会場は、学生による植物染色の作品や古代の色の数々、100色以上もの貴重な植物染色の色見本に彩られ、室内にもう一つの自然があるかのようでした。
講演終了後は、自然豊かなこの学園のキャンパスを受講生の皆さんと見学。染料となった植物を目の当たりにし、歴史的建造物が点在する学園のたたずまいなどを味わうひと時を過ごしました。



文: 室永優子(市民大学講師、本学准教授)、写真:宮崎舞衣子(学園長室)