最高学部では、全国友の会と共同で能登半島への支援を行っています。
5回目となる今回は2025年3月25日から27日の3日間、石川県志賀町・七尾市にて活動を行いました。
メンバーは、全国友の会(中央部・信越部・金沢・富山友の会)9名、婦人之友社1名、最高学部新卒業生中出歩、新3年山下真生、新1年荒井野乃花、氏家真唯、佐々木奏、咲花昭嗣先生の計14名です。
活動1日目、3月25日
金沢駅に集合し在来線で七尾駅まで行きました。車窓からは全壊の家も多く見え、写真で見るのとはまた違う印象に、活動に対しての身が引き締まる思いがありました。
夜には石川県七尾市にある宿泊先:和倉温泉「のと楽」に到着、友の会の方々とともに翌日からの予定の確認を行いました。
活動2日目、26日
富来放課後児童クラブにて小学生、約25人と交流を行いました。
到着後、職員の方々にご挨拶し、小学生と様々な遊びをしました。児童クラブの点呼と報告の時間に合わせ自己紹介をして体を使ったレクリエーションを全員で行いました。

お昼は学園のパン工房で作られたパンを皆でいただき、その後も手編みや将棋、友の会の方が作ってくださった、レジ袋を中に詰めた布のボールなどで楽しみました。
特に年齢の垣根を越えて皆で遊べるカードゲームは、円になり顔を見ながら会話することで交流がより深まったように思います。


富来放課後児童クラブは、震災後からは中学校の柔道場を仮設施設として運営されていましたが、私たちが訪れる前日から新しいこの施設へ移動したと聞きました。忙しい中で私達を受け入れてくださった感謝の気持ちとともに、震災から復興の道のりの長さを改めて実感しました。
午後3時に児童クラブを後にし、海に面した国道を車で走りながら、金沢友の会の方から震災による影響と復興の現状について伺いました。
震災をきっかけに都市部への人口流出が加速していること、国道にも関わらず一向に修繕されない地面が割れた道路など復興が進まないもどかしさ、また「自分たちの生活を元に戻したいのは復興の良い前例になってほしいから」という言葉が印象に残りました。
道中では漁港と大本山總持寺を訪れました。
漁港では地震によって地盤が隆起している様子を目の当たりにし、自然の驚異を強く感じました。

大本山總持寺では地震の振動により180°回転した僧堂前句碑が衝撃でした。

活動最終日、27日
光の子保育園では小学生、約20人とシチュー作りを行いました。
到着後は挨拶と自己紹介を行い、分量を量り野菜を洗うところから始めました。「楽しみにしてた!」と駆け寄ってくる姿がとても嬉しかったです。
シチューは小麦アレルギーに対応し米粉を使用して、3グループに分かれ作りました。包丁の持ち方の補助などをしつつ、皆がそれぞれ得意な部分で力を出していました。

一緒に作ったシチューを皆で食べ、温かい時間を共有することが出来ました。
食事後はカードゲームや的あてゲームを一緒に作って遊んだり、グラウンドに出て外遊びも楽しみました。
グラウンドにはクラウドファンディングによって作られた大きな砂山があり、元気に駆け回る姿が印象的でした。
3日間で地面のコンクリートの割れにつまずくことが何度もあり、子供たちが自由に走り回れる場所が確保されていることはとても大切なことだと感じました。



お互いにたくさんお話する中では、仮設住宅でのことや小学校の同級生が10人という震災や少子化の実情を垣間見ることもあり、改めて震災が子供たちに与える影響についても考える機会となりました。
私は今回の活動で初めて石川県へ行きましたが3日間の活動を通して、まず方言の強さに驚きました。実際に訪れて被災地を人が生きる場として過ごしたことで見えてくる、ニュースなどでは知り得なかった暮らしや産業、文化があることを実感しました。今回の交流を通じて、その一端を学ぶことができたと思います。
震災当時のままの瓦礫やコンクリートが割れボコボコの地面などからは政府の支援政策と現地の現状の溝を体感する貴重な機会となりました。震災や復興という出来事に対して自分の無関心さを痛感し、現在進行形で深刻化している過疎などといった他の問題にも広く視野を持ちたいです。
震災がもたらした厳しい現実を直視しつつも、小学生たちとの温かな交流を通じて、人と人とのつながりが復興の原動力になることも強く感じました。
この経験と思いを軸に、これからも私たちにできる支援を続けていきたいと思います。
文:氏家真唯、写真:荒井野乃花(最高学部学生)、咲花昭嗣(高等部教員)