今週の一冊『第3の時間』/図書館 お知らせ・近況 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

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図書館 お知らせ・近況

今週の一冊『第3の時間』

2026年3月2日

2026年2月16
『第3の時間』井上陽子著 ダイヤモンド社 2025年

日本で20年近く、大手新聞社で記者職として働いていた著者が、結婚を機に夫の母国・デンマークへ移住し、そこでの見聞を「時間の使い方」の面からまとめた本です。

 デンマークでは、夕方4時台になると帰宅ラッシュが始まります。なぜなら、皆、その時間で仕事を追えるから。彼の国では、8時間は休息、8時間は仕事、そしてあと8時間は自由時間(第3の時間)、という意識が国民に根付いています。自由時間には地域の人たちとサークル活動をしたり、子どものサッカーチームのコーチをしたり。小学生の子どものクラスメイトがスマートフォンを持つことになったから、保護者で集まってルールを決めよう、といった集まりも、この8時間の中で行われます。そしてそこには父親、母親が半々くらいで集まるというのです。仕事は、サラリーマンだけでなく、弁護士や医師、国家公務員などそれぞれ。つまりどの職種であっても、午後4時にはたいていが退勤しています。

 労働時間は週37時間。働ける人は全員働くという国の方針から、共働きは当たり前(そうでないと高額の税金が払えない)。天然資源がほとんどない小国として、「人」が一番の財産、という視点で高等教育まで(大学院も)すべて教育費は無料としています。税率は高いですが、老後の経済的な心配は皆無で将来のために貯金をしなくてもよいことから、それなりに経済は回っている。また、高額所得者の場合は半分以上を税金でとられるので、金持ちが得というわけではない、という構造が短時間労働のインセンティブにもなっている。この体制で、デンマークは日本よりも一人当たりのGDPも国際競争力も幸福度も高いのです。

 働き方改革といって、どこかだけをつっつくのではなく、構造改革(何に一番価値を置き、そのためにどこに税金を投入するのか)によって仕組みを変えないことには根本的な解決にはならないのだろう、と思わされました。そしてこの本を読んだ後に、日本の首相の所信表明演説を新聞で全文読んでみて、「うーん・・・」と考え込んでしまいました。

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