今週の一冊『丸ちゃん教授のツミナハナシ』/図書館 お知らせ・近況 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

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今週の一冊『丸ちゃん教授のツミナハナシ』

2026年11月2日

2026年11月2日

『丸ちゃん教授のツミナハナシ』丸山泰弘編著 南口芙美・山口裕貴著 現代人文社2026年

 

皆さんは「犯罪学」や「刑事政策」という言葉を聞いたことがありますか? 私は「丸ちゃん教授のツミナハナシ」(Podcast、YouTubeなどで聞けます)を聞くまでは殆どありませんでした。この番組は丸山さんという学者さんが、南口さん(最高学部で法学を教えてくださっています!)、山口さんという、やはり法律の専門家の方々と、「市民のための犯罪学」について熱く語っています。この本は、その番組が活字になったものです。

 

本書では、窃盗や薬物使用、殺人など、ニュースで聞き覚えのある言葉から、各国の刑務所、死刑判決と無期懲役など、聞いたことはあっても詳細はわかっていなかったことまで、縦横無尽に取り上げ、本当にわかりやすく解説してくれています。読み終ると、自分が今まで持っていた思考というものが、どれだけ「こうあってほしい」という無意識化の感情に誘導されたものであったかに気付かされるのです。

 

再犯を繰り返し、何度も刑務所に入る人がいますが、それはなぜか。社会に「おかえり」と言ってくれる場所があって、釈放後のその人の生活がいろいろな意味で再生されていれば、もう一度刑務所に戻りたい、とは思わないわけです。つまり、罪を犯したら、刑務所で償って出てくればいい、という簡単な話ではない、ということ。ではどうするのか、については、実は私たち市民一人ひとりが関係していることを突きつけられます。本当にその人に「寄り添う」とは、どういうことなのか、を考えさせられるのです。

 

自分のこれまでの思考に揺さぶりをかけられる、という意味では、私のイチオシは11章「「ダメ。ゼッタイ。」は救えない~薬物使用をあえて罰さないハーム・リダクション~」でした。これには驚きました。ぜひ本書で確認してみてください。難しい内容を扱う中でも、各章の冒頭にある「つかみ」部分はクスっと笑える話ばっかりですし、丸ちゃんと南口さんの関西弁での絶妙なテンポのやりとりにもほっこりする。結局頁をめくる手が止まらなくなって、一気読みでした。音源を聞いていなくても十分に、聞いていても十二分に楽しめます。奥付には、特に教職員がいつもお世話になっている、総務部のあの方のお名前もありますよ。(菅)

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