女子部23回生の吉岡豊香さんは卒業後広島の実家に戻り就職していましたが、1945年8月6日、広島で被爆し一週間後の13日にお亡くなりになりました。

19歳という若さでした。

今日は朝から学内の慰霊碑周辺を生徒たちが清掃し、吉岡さんへの追悼のときを持ちました。

今日の平和宣言の中で、松井一実広島市長は、若い世代に対して、平和の実現に向かう市民レベルでの活動推進への期待を語りました。
そしてその際に「心に留めておくべきこと」として、日本国憲法前文の一節を引き、「自分よりも他者の立場を重視する考え方を優先することが大切であり、そうすることで人類は多くの混乱や紛争を解決し、現在に至っているということです。こうしたことを踏まえれば、国家は自国のことのみに専念して他国を無視してはならないということです」と高い理想を示しました。
私は日本国憲法前文を読み直しましたが、敗戦後の日本の出発点となった憲法の理想の高さにあらためて感銘を受けました。以下に一部引用します。
「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。」
自国第一主義が広がり、自己利益をどれほど大きくできるかということで「有能さ」がはかられるような社会・時代にあって、心に響く、忘れてはいけない言葉です。
この前文が、そして「地には平和」という聖書の言葉が示す理想を、私たちは日々の生活から実現していかなければいけないと感じています。