報告会紹介:数理モデルとインターフェイス(学会発表報告も含む)/研究・実習 - 自由学園 最高学部(大学部)/ 最先端の大学教育

報告会紹介:数理モデルとインターフェイス(学会発表報告も含む)/研究・実習 - 最先端の大学教育【自由学園 最高学部(大学部)】

研究・実習

報告会紹介:数理モデルとインターフェイス(学会発表報告も含む)

2017年3月1日

3月4日(土)の卒業研究報告会で,数理モデルとインターフェイスゼミは次のような発表を行います.午後2時頃からおおよそ80分程度です.

発表題目:教育現場におけるITソルーション
メンバー:岩重 淳之介
指導教員:遠藤 敏喜先生・河原 弘太郎先生

本研究では,学生の生活をよりよくすること,またそのことを通して最終的に社会問題に寄与することを目標として,スマートフォンやタブレットといったモバイル端末向けのアプリケーションの開発を行う.結果として,アプリには食事注文システム,電子掲示板の実装することができ,試験運用をするまでに至った.試験運用開発過程と使用法,システム運用の構想と今後の展望を述べる(予稿集より引用).

発表題目:日本におけるアニメ聖地巡礼の発生メカニズム・行動分析・魅力
メンバー:久保 優利子
指導教員:遠藤 敏喜先生・河原 弘太郎先生

本研究では,日本の若者の間で起こっている,アニメ作品において舞台となった場所を探訪する「聖地巡礼」という現象の発生メカニズムを明らかにする.そのために,アニメ作品における聖地巡礼の語源と現象の起源を明らかにした.聖地巡礼の発生メカニズムについて考察を行い,ファン主導モデル,公式明言モデル,ファン主導自治体明言モデル,公式・自治体明言モデルの4 つのモデル提起を行った.さらに,聖地が存在するアニメ作品には何らかの法則性があると考え,2000年,2010年,2016年のアニメ作品を構成要素ごとに分類調査し,各年の特徴と共通点をまとめた.その結果,近年になるにつれ地巡礼の起きやすい作品が爆発的に増え,アニメ制作陣も聖地巡礼の起きやすいジャンルの作品をより多く制作し聖地巡礼を促していることが明らかになった.また,聖地巡礼を行う人々には共通の思いがあると考え,アンケート調査を行い,その結果について分析を行った.その結果,聖地巡礼を行う人々は「アニメ作品との一体感を感じたい」「作中に登場するキャラクターを感じたい」という行動原理で聖地巡礼を行うことが明らかになった(予稿集より引用).

発表題目:自由学園の記録資料と気象変動
メンバー:種房 史花
指導教員:遠藤 敏喜先生・河原 弘太郎先生

本研究の目的は昨今の地球温暖化や異常気象など背景を踏まえて気候変動について調査すること,またれから先の関わり方を考えることである.調査にあたりまずは東京管区気象台の気象データを用いて実際の変動の様子について調査し,地球温暖化を確認した.人が気候変動とどのように関わってきたかは,自由学園資料室にある日誌を用いて調査し,自然に向ける関心が減ってきたことが確認できた.そして、これらを同時に見ることより,急激な気温,天気の変化に人は反応しやすいが分かった.またこれから先,地球温暖化や気候変動に関心を持てるようになるためは,自然に目を向けることができるような教育 が必要だと考える(予稿集より引用).

発表題目:心とからだに寄り添うケア手法とその可能性について
メンバー:藤田 創
指導教員:遠藤 敏喜先生・河原 弘太郎先生

ケア技法「タッピング・タッチ」の効果測定のため,自由学園の最高学部の男女学生を対象に,心理アセスメントPOMS2を用いて前後の心理状態の変化を分析した.また,7年前に実施した,塚平によるPOMSを用いた同様の調査とあわせて比較を行った.その結果,どちらの群に対しても,怒り・混乱・抑うつ・疲労・緊張・総合的なネガティブ指数であるTMD得点が有意に(p<0.001)減少することが分かった.また,タッピング・タッチ技法をより多く体験できるよう,催眠の手法を利用した音声作品を作成した.これによる「触れる・触れられる」というプロセスを抜きにケア手法を体験することへの可能性を見出すことができた(予稿集より引用).

発表題目:パーソナルカラーとアートを焦点とする色彩の研究
メンバー:長戸 美音里
指導教員:遠藤 敏喜先生・河原 弘太郎先生

本研究では従来のパーソナルカラーでは表しきれない「その人らしい色彩配色」の手法を探求した.「その人らしい色彩配色」は他者がその人の個性や行動傾向から判断する “外面的要素” と “内面的要素” から複数色を決定し,その色彩の割合を重視する.これを「その人らしい色彩配色」と定義した.対象を自由学園最高学部4年生とし,選択された「その人らしい色彩」の上位5色の割合を “月かけグラフ” で示した.妥当性を検証したところ,32人中27人の色彩配色が50%以上の他者から「その人らしい」と判断され,納得できるという反応を得た.さらに,本研究の活用として、4年に1度開催される自由学園美術工芸展にてクラスらしさを表現する作品「Color Ratio of 32 friends―クラスの色彩とその割合―」を展示した(予稿集より引用).

報告会紹介:数理モデルとインターフェイス

学会発表

数理モデルとインターフェイスゼミの4年生5人は,北海道大学で開催された第13回数学総合若手研究集会に出席し,2日目2月28日にポスター発表を行った.

発表はチームで行い,題目を「社会的行動と感性のモデル化に向けて」とした.発表要旨は,人間が集団の中で起こす社会的な交互作用,主観的印象による感性情報とその感性を生じさせる対象の物理量との関係を数理的に説明する方法を探究することである.5人それぞれの卒業研究をチームとしてまとめた.

研究集会に集う参加者は今後の数学界を担うとされる人ばかりで,他の発表内容はいずれも高度に専門的であった.本来発表できるのは大学院博士課程以上であるが,自由学園は4年前から発表を許されており,今回はゼミとしては3回目の発表となる.細分と深化が進んだ専門世界にあって本ゼミ生のテーマが分かりやすいためか,多くの参加者が興味を示してくださり,発表ブースは常に満員であった.

報告会紹介:数理モデルとインターフェイス

北大でのポスター発表の様子

ecalic033_002 最高学部4年課程卒業研究報告会のお知らせ

文・写真:遠藤敏喜(学部教員)

カテゴリー

月別アーカイブ