関東・水と緑のネットワーク交流会開催/研究・実習 - 自由学園 最高学部(大学部)/ 最先端の大学教育

関東・水と緑のネットワーク交流会開催/研究・実習 - 最先端の大学教育【自由学園 最高学部(大学部)】

研究・実習

関東・水と緑のネットワーク交流会開催

2017年9月16日

9月2日(土),自由学園の最高学部食堂にて「関東・水と緑のネットワーク平成29年度交流会」(*)が開催された.交流会は,第1部(午前)、第2部(午後)の二部構成で行われ,これまでに「関東・水と緑のネットワーク拠点」に選定された活動団体などから約50名が参加された.

関東・水と緑のネットワーク交流会開催

学園内農場新天地

2013年度に,自由学園の中を流れる立野川の源流域である向山緑地に残された自然(湧水と緑),その保全にかかわる市と市民と学園3者による活動『向山緑地・立野川勉強会』が,「関東・水と緑のネットワーク拠点百選」に選定された.今年度は,東久留米市の後援もきただいて,選定団体として交流会の開催を担当することになった.

第1部では,総合司会の杉原先生の解説と案内で,まず,学園内農場(新天地)を流れる立野川の景観を見学された.学園の自然を生かした教育環境と生徒・学生が芝生など学園内の手入れをしていることや学園内での作物栽培の様子などもご案内した.その後,学園から台地面を西に1km歩き,向山緑地・立野川源流に向かった.現地では,向山緑地・立野川勉強会の代表の方々3名が合流し,活動内容や向山緑地の自然の特色について詳しく解説された.自由学園から向山緑地まで往復約2.5㎞の距離を歩きながら,参加者同士が意気投合し,自身の経験や知識について和気あいあいと語り合っておられた.

関東・水と緑のネットワーク交流会開催

向山緑地1

関東・水と緑のネットワーク交流会開催

向山緑地2

第1部から参加された日本生態系協会の池谷会長からは,第2部冒頭のご挨拶で,自由学園の教育環境や向山緑地の自然の豊かさの背景にある保全の努力に言及していただいた.いわば出来上がった料理だけではなく,素材と調理とを含めて評価してくださったことになる.私たちはそれらの恵みを地域の特性として誇らしく思い,それが当たり前,放っておいても存続するように思いがちである.それでは循環・再生を考えずに,消費するばかりとなって荒廃をもたらしかねず,恵みに対して謙虚に向き合う必要性に思いを致した.

第2部の交流会は地域の活動団体の方々などを交えて最高学部食堂で行われた.会場には,2012年度の環境フェスティバルでの自由学園最高学部と向山勉強会の展示資料,および2016年から多摩六都科学館で展示されてきた生物多様性関連の生物調査についての卒業研究報告などのパネルを多摩六都館からお借りして展示し,開催団体の活動をご紹介した.

関東・水と緑のネットワーク交流会開催

交流会開催

関東・水と緑のネットワーク交流会開催

展示

2017年度新たに「関東・水と緑のネットワーク拠点」に選定された5団体への選定証授与式の後,三島次郎氏(生態学の泰斗,桜美林大学名誉教授)による基調講演では,環境保全において「生態系」の視点で活動できているかが問いかけられ,参加者全員に改めて自然について考えるきっかけを与えられた.また,今年度選定団体による活動紹介も行われた.

最後の意見交換会では,「後継者の育て方」,「将来世代をどのように活動に引き入れるか」というテーマが設けられ,地域の親世代・子世代が積極的に参加できる活動を行っているNPO法人 三浦半島生物多様性保全(天白牧夫理事長)による活動紹介と質疑応答が行われた.他団体の参加者から多くの意見や質問が飛び交い,非常に活発な意見交換会となった.

今回の交流会では山梨県や神奈川県など遠方から多くの環境保全団体の方々が集まり,新たな活動や知見を広げる場となった.地元交流会をはじめとして今後も多くの地域,団体が互いをよく知り,連携することで,水と緑のネットワークの強いつながりを育んでいくことが期待される.

最高学部からは,向山緑地の保全活動に参加している最高学部の環境ゼミ,自然ゼミ,草本・潅木グループの教職員が参加した.貴重な勉強の機会に心より感謝申し上げます.

文:大塚 萌(学部4年 環境と経済・社会ゼミ) 
写真:新井真吾(学部3年 自然の理解と創造ゼミ)

(*)関東・水と緑のネットワーク平成29年度交流会
主催:(一社)関東地域づくり協会,(公財)日本生態系協会
共催:向山緑地・立野川勉強会,(学)自由学園 環境文化創造センター
後援:東久留米市
協力:(組合)多摩六都科学館

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